アイゾウ

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2019年11月19日(火)
一手。4



枠の中で揺れていた
私の針が振り切れた。
それはサラくんが私を
つねった時だった。


二の腕の柔らかい部分を
ぎゅうと掴まれる。
手加減なしかと思うほどの
痛みが私を弱らせる。
姿勢が保てない。
顔を上げていられない。
叫べない代わりにせめて
素直に痛いとつぶやいた。
右も左もあとが残るほどに
されたあとは息をする事
しかできなかった。
彼が噛みたい、と言えば
掌を差し出し
カーディガンに丸く唾液が
残っていたのも後で見た。


とはいえ
すべては私の希望のもと。
誰でもが叶えてくれる
わけではない私の願いを
サラくんは叶えてくれる。
ああ、
いつまでもここに居ないで
次の場所へ進みたい。
そう思った途端に過去の
思い出が私を曇らせた。



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