るなふの日記

2005年12月04日(日) 白夜行第二部

3日のマチネ晦チームを観劇し、お茶を飲み、酒を呑み、
昨年に続いてまたしてもやってもうた。
センジュからタクシーで帰宅だ。
このタクシー代で、あたし、もう一回観劇出来るよ。(涙)
そして、あたしよりも遠いところにタクシーで帰ったyokoちゃん、ごめんね。久しぶりにちょっと調子に乗って騒いでしまいました。楽しかったんだけどね。


ということで、『白夜行第二部』あたしの初日があきました!
もうこれがーーー。
どこから話したらいいのかわかんない位に良かった!!
倉田ちゃん、そしてライフの皆様、すごいよ、もう。
yokoちゃんは芝居観て泣かない人間なので泣かないけど、
彼女は初日が終わった瞬間に感動で手が震えてアンケートがかけなかったというのを聞いていて、
『まーさか、そこまでは』
とタカをくくっていたあたしが甘かったです。


以下すべて激しくネタバレですんで。シロ反転。

一部が亮司編とすると、今回は雪穂編。
青春時代の亮司の白い闇の道を丁寧に描き、
彼の痛々しい罪の犯しものがすべて雪穂の人生になって花咲く二部。
一幕は高宮との夫婦生活と、それを怪しむ今枝チームとの攻防がはらはらして、どきどきして、本当にサスペンスというかミステリーとしての醍醐味を味わえたし、
二幕はもう、あたしもyokoちゃんと同じく泣かない性格なので、泣かないけど、めちゃくちゃ拳を握り締めて、歯を食いしばってみてました。
亮司と典子の薄っぺらいのに寂しいのに悲しいのに、そのうち消えてゆく恋と分かっているのに、どこかどちらも本気で愛してしまっている感情の悲しさ。
江利子にしたようなことを美佳ちゃんにしているのに大人になった分、相手が子供である分本音を吐く雪穂のもろさ。
なにより圧倒は笹垣推理編の19年前の幻。
妻に裏切られているのをみている桐原パパのどうすることもできない苛立ちと亮司への溺愛。雪穂への執着。
少年亮司の父への思いと少女雪穂の思いのジレンマ、殺意。そのあとの後悔。
悲しくて悲しくて、どうしてこういうことになってしまったのか、どれも止めることのできない感情につきうごかされた大人たちの理由で、
理不尽にいやおうなしに生きる道をさだめられてしまう二人の哀れさが悲しくて、終わった瞬間、あたしは体中が痛かった。
そしてこのあと、亮司が負っていたものの分を、
ひとりで、罪も、夢も、すべてをその身に、雪穂は背負ってゆくのだと思うとつらくて仕方なかった。
道徳的な話ではないよね。
純愛でもない。
どろどろしてて、でも。
パパを殺したあとに泣きながら雪穂の服装を整えてあげる少年亮司と、
後悔に打ち震える彼の鋏の血を拭いてあげる雪穂と、
雪穂をにがしたあと、上にのぼった少年亮司が青年亮司と交錯する瞬間に
あたしの心はぼろぼろに崩れた。
いたわりあった少年のままの亮司と、
少女のままの雪穂が、
純粋なままの気持ちを胸に罪をおかし続けているのだと思った瞬間。
そして
紙を切って、喜ぶ二人の子供のシーンが最後まで、
亮司が死んでも脳裏に焼きついて離れない。






個人的な絶賛○
舟見雪穂。
舟見様と呼ばせてください!
くるくる巻き髪型の一部の悪夢はなんのその、
地毛をベースにしたポニーテールとあの身長だから美しいのであろう膝下のフレアスカートもよく似合うビジネスウーマンぶりを発揮。
たくらんでない顔で夫にも恋するひとにも接しながら、
ちらりと顎をうごかすだけで、動いた感情を観客に意識させるその役者ぶりに脱帽しました。
奥田高宮との虚構にみちた夫婦ぶり、
曽世篠塚といる時の少女らしさ、
あと一歩で落とせるくらいのところ(下品な言い方でごめん)からその願い電話ひとつで打ち砕かれたあとの能面のような無表情に潜む悔恨。
夏美ちゃんにぽろりと言う、
「勝負はこれからやで」
のさらりとしていながら深い言い方。
なにより、原作とは違うのだけど、
死んだ亮司を一瞬ふりかえった時のわずかな悲しみ。
これが、自分の片方の翼をもぎ取られたようなつらさがにじんでて、本当にすばらしかった。
たぶん原作者と原作ファンは「?」と思うかもしれないけど、
現実にはふりかえってないんだ、
こころの中で振り返ったんだと思って下さい、東野先生!(みてないから、ここ)
でも、現実でない現実を想像できるのも舞台の特権ですね。
小説でかかなかった行間を目の前にみせてくれたこの舞台の、
この場面にあたしはこれがライフなんだと呆然と、本当にファンでいて、
そしてこの舞台をみることができて満足です。


山本亮司
一部に比べて活躍は少なかったのですが、
↑での少年亮司と目を合わせる瞬間の瞳の美しさに悲しくて悲しくて、つらかったです。
あたしは今回、このひとにかんして。
なんか簡単に、どこがよかったとか一言では言えない。
すいません。
そのうちちゃんとかきます。

高根今枝
普通の男、野心も嘘もつく。でも女の子には案外優しい。
そして相手にたちむかう前に殺されてしまう人の良さが出ててよかった。
多分、あたしは彼のあざといようなネイトとか松浦よりも、こういう、
ナチュラルなスタンスの男の役の方が気持ちよいと思う。
好きだ。(率直)
声もいいし、動きもばりばり探偵さんですてきでした。
でもやっぱ、ツータックのパンツでしたね。時代的に。(笑)

吉田三沢さん&美佳
耳に髪をかける時は恥らっているか、緊張している三沢さん。
不倫なのに清潔で美しい恋をしていると、思わず応援してしまいそうになる心の綺麗さだった三沢さん。
そして思春期のむずかしい時に雪穂がママになってむかついてセーターを脱ぐ美佳ちゃん。
いやな思いをしたあとの、台詞はないのに、やさしい一成ちゃんにさえヒイテシマウ男性不審な態度の美佳ちゃん。
ついでにいうなら一部で一瞬しか出てこないのに
意地悪さと品のよさをもった中学生。
育ちの悪い美貌の香苗。
わずかな出ながら、どういう人間なのかをすべて客に印象づけることができたのは、すべてあなたの演技力です。
すばらしかったです。
どんな役者になっていくのか、あたしはあなたが楽しみです。


奥田高宮&少年亮司
少しづつ崩壊していく家庭に苛立つ夫のくすぶり感、
そして三沢さんとであったときの一気に空気が晴れるさわやかな心意気。
こちらまで高宮と一緒に雪穂に翻弄されている気分になりました。
ひとを巻きこむ力があるのってすごい!
そして高宮にもまして少年亮司の一途さにめろめろです。
父への思い、雪穂への思い。正義感。
それが彼の人生を一転させたのだというのがはっきり認識させる場面でした。

船戸桐原パパ
同期ミッチからのバトンタッチのパパ。
妻に裏切られた男の哀愁と子供への溺愛。
幼女への偏愛。
複雑な男心を、亮司を抱く見事に肩の線の悲哀で演出。
雪穂と亮司の人生を狂わせたはずのこのひとに
あたしがうっかり同情したのはそういう船戸さんだったからです。
それにしても船戸さん、
『OZ』でサディストな脱走兵。
『メッシュ』でメッシュをレイプする元締め。
そしてこの『白夜行』で幼女偏愛。
……今年のケダモノ王と呼ばせてください!(褒めてます)


甲斐篠塚康晴
ああ、恋しちゃったのねー。
と思わせる突然恋に狂ったエリートぶりを如何なく発揮。
朝からゴルフしてべたべたくっつくさまは最高にいやらしくて素敵でした。
似合いすぎだよ、こういう役。(ぼそり)


深山絵里&菊池
絵里の今枝との掛け合いはもう最高に可愛い。
なんとなく息苦しくなりがちな芝居の清涼剤でした。
ミニスカートも「ちょっと残念」も「よしっ」も可愛いっっすよ!!
そして菊池の場面は一回でて、ひっこんで、もう一回でてくるという、
いかにもわざとらしい脚本で(今回、ここが一番整理できなかったのか気になった)あったのに、深山さんのさりげない『芝居である』『わざとらしさ』を逆手にとった態度で、笑いながらクリアできました。



えーとざっと、これくらいかな?
一応思いついたことだけです。
あとから付け足すかな?(不明)

とにかく、細かいところはともかく、
ジェットコースターみたいに人の感情にゆさぶりをかけ、
原作のミステリー、
叙情性を生かした芝居にあらためてライフの芝居が好きだと思った次第です。
一生ついていくからね、淳ちゃん(笑)
山田君もはるかちゃんも、この芝居みておいてほしいなあとちょっと思った。(偉そうでごめん)


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