| 2005年11月06日(日) |
次の奇跡を待ちながら |
彼は、ずっと何を考えているんだろうか。 と思いながら劇場をあとにしました。
昨日の土曜日は『ダブリンの鐘つきカビ人間』をみてまいりました。 よかったです。まず椅子が。(笑) 今年はテアトル銀座に来たのは黒蜥蜴以来の二回目ですが、やはりすわり心地が良いし、どこの席からも舞台全体がみれるうれしさったらないですよね。 いつかライフもこの劇場でよろしくお願いします。(本気) そして、昨日昼は奥田君と、『初恋』で○ク○トおばさんと恋していた人(名前覚えてあげようよ)がいらしてました。 帽子似合ってましたね、奥田君。かっこよかったので、ついじっとみてしまってごめんなさい。
ネタバレするので。反転します。
座席だけでなくもちろん、当たり前に芝居も良かったですよ。 おとぎ話ともいえる位に、主人公二人の心はきれいで純粋なのに、 病気という環境に慣れきっている人々の荒んだ心は目を覆いたくなるほど俗物的。 閉鎖された世界で、自分達も明らかにへんな姿になっているし、不自由もしているのに、特別に醜い病気にかかったカビ人間を邪険にあつかいむげにする、その矛盾に気がついていないおろかな市井の人々だけれど、 その中にあって、突出して俗物で自己中心的なのが市長と神父。 物語の中にうっかり入り込んでしまった旅人の真奈美と聡が人々の病気を治すために深い森に入る中、奇跡を起こされては困る彼らが実直な剣士をあおって追わせる。
物語は、千人の血をすえば奇跡がおこせるという剣を手に入れ、このなきをえるのかと思いきや、 「その日、鐘をつく時間にお前は死ぬ」 と宣告された市長がそれを阻むために町中を巻き込み、 鐘をつかせないためにカビ人間を死においやる。 自分の思ったこととは逆のさかさまな言葉しかいえないおさえちゃんゆえに、言葉にだして望みを唱えることはなかったものの、 彼女の気持ちをわかっていた市長は、 その日、死ぬことはなく。 そして、すべての町の人が死に、町が消えても生き残り、 カビ人間の話を旅人に語りながら、次の奇跡を待つ。 次の千人が死ぬのを待ちながら。 このとき、最後の場面で、 狂言回しは実は聡でも真奈美でもけっしてなく、 市長自身だったんだ、と愕然とする仕組み。(話は知っているからね…、) 最初から舞台でこの話をみていたら、二転三転する物語にもっと翻弄されてたかなと思う。 でも物語を知りつつもカビ人間とおさえちゃんの死ぬところでほろりとし、 市長が剣を持ってにやりとするところで背筋が寒くなった。 そして、もう一回観にいきたいなあ…とまで思っています。 あたし、相当気に入ったらしい。
役者も話もみんなすてきでしたが、 舞台装置も髪型も衣装もきれいで楽しくてね。 鐘を突くときの照明の光の振れ方が綺麗! 客席に鐘の影が流れるような錯覚になるのが不思議。 実際には鐘の影なんか、広場に落ちることはないのにね。
衣装も可愛かったです! おさえちゃんの広がる段スカートとキュートな上半身の細さと、意思の強さをかんじさせる額出しも全部せつないほど、病気に本気で苦しんでいる彼女のジレンマと緊張感をつむぎだしていました。 でも、まあ、あたしが最高に好きなのは戦士の乗っている(乗ってない)『馬』ですけどね。 ぶるぶる震えて、ぷいとどこかにいってしまうところが何より笑った。(そんなとこ) 馬素敵だ。
あとね、及川さんが年齢相応の男性を演じていたのがやたら面白かったです。 天使の羽にきらきらした瞳で、その口から出てくる言葉の嘘くささと小物ぶりはじけるあくどさったらもう!小気味よいほどでありました。 ライフではみられない姿だった。(爆) それだけでも観にいった甲斐があったというものです。
これから、昨日会った友達にもらった『白夜行』のイベントDVDをみるので今日はこのへんで。
|