| 2006年08月03日(木) |
『時が示すもの』 佐藤公彦 |
久しぶりにケメを聴いた。 このアルバムにはあの「バイオリンのおけいこ」が収録されている。 私はこの歌大好きで、シングルも買った。 たしかシングルの方はライブ録音だった。 笑いながら歌うケメと大笑いするお客さんの楽しそうな雰囲気が大好きで何度も聴きまくった。 アルバムの方は普通のスタジオ録音だ。 ケメの歌い方もシングルほどくだけてはいない。真面目に歌っている。 この歌。今聴いても面白いな。
聴けば聴くほどにケメは天才だったと思う。 本当にいろんなカラーのアルバムを発表しつづけ、楽しそうに歌っていたケメ。 そして恐ろしいほど中身が濃かった。 フォークでもロックでもないケメの歌。 私の中ではたくろうや泉谷しげるをはるかに超えていた。
1曲目の「坂を昇るの唄」から若者特有のジレンマやくしゃくしゃした思いをぶつける。 「かわいそうな怪獣ちゃん」では怪獣はウソをつかないのに殺される、かわいそうなんて歌う。 まったくもって不条理だ。 「あの太陽もっと幸あれ」。 これは当時人気のあった曲でよくラジオで聞いた。 が、私はラストの「さよなら なんとなく 淡い毎日」がこのアルバムでは一番好きかも。 もてあました 一人ぼっちの時を 差し出しあっただけ さようなら なんとなくの 淡い毎日 さようなら
なんとなくの毎日が、新たな明日への何かになっていくものだとぼんやり考えながら聴いていたあの頃。
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