| 2006年05月15日(月) |
『僕らがいた』 松たか子 2006.4.26 |
今まで松たか子さんの歌はあまり聞いてなかった。が、この人の歌声は5月にとても似合うと気づいた。 ぜんぜん無理せず、自分の音域で自分の歌い方で歌うところが心地よい。 歌唱力で聴かせようというシンガーではない。 こつこつと自分に合う歌を、自分の歌を一つ一つ作っている感じだ。
今回の新曲は私の大好きなスキマスイッチが作った曲だったので、注目していた。 松さんの方からスキマスイッチに曲をお願いしたそうだけど、なんだか松さんのために書いた感じはしない。 いい曲を1曲書いた、という感じだ。 スキマスイッチはちょっと前にW-indsにも「キレイだ」という曲を書いていたけれど、このときもW-indsに書いたというより、いい曲を1曲作ったという感じだった。 あっ、松さんのアルバムのことを書いていたのに、脱線してしまった。
なので、今回の新曲「明かりの灯る方へ」とアルバムのために書いた2曲「そして僕の夜は明ける」「水槽」はどれもただ単にすばらしいできの曲だと思う。 いい曲を松たか子さんが松さんなりに理解して歌いこなしている。 これらの曲はもうなんとしてもスキマスイッチにも歌ってほしい。 というよりも自分たちが歌うのに書いた感じがするのは私だけだろうか。
スキマ以外の曲もこれまたすばらしい。 akiboshi作曲の「時の舟」もいいメロディだし、 そして何より松たか子さん自身が、なんともあたたかいメロディーの曲を作るようになったことに驚いた。 「僕らがいた」や「未来になる」「その日まで」はなかなかの傑作だと思う。 こんなにもいいメロディーと詞が書けるのなら、 女優とシンガーの両立はまだまだ続けられるだろうと確信した。
私はどうも春は苦手で沈みがちになってしまうのだが、 今年の春は松さんの歌声でかなり気持ちよく過ごすことができた。
このアルバムはすばらしい粒ぞろいの曲集だ。はずれな曲は無し! 特に一番好きなのは「山手線」。大好き。 「山手線、いいなあ、行ってみたいなあ、行けないけど…。」と 一人でつぶやいてしまう。 「ソレアレス・メモリー」もうっとりする。リピートでずっと聴いていたくなる。
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