| 2005年02月23日(水) |
I know who you are |
収穫の日。
映画2本見る。 「マシニスト」
ただ眠られない男性の話かと思い、期待薄で行ったが、 パズルのように出来事が重なり、迷宮の中に入り込む。 なぜだなぜだと思っているうちに、見終わった。 「I know who you are」の意味が哀しみを増す。
「ブエノスアイレスの夜」 ガエル・ガルシア。可愛いな。 ちょっと足短いけど。 エロティックな読書シーン。激しい絡みの描写より、 純粋な恋愛を朗読する方が、甘美でエロティックだった。 効果音がベタな音が入っているのが気になる。 少し、ストーリーが唐突すぎるかな。
今日の、最大の収穫は、 モーパッサン。 あまりにも有名すぎて通り過ぎていた。 短編全編にわたる、悲しみと、切なさと。 1作品ごとに涙がじわりとわいてくる。
その作品の中でも今日のお気に入り。 「メヌエット」
「ある種の出会い、ふと垣間見られただけでそれと察しられた事柄 ひそやかな悲しみ、ある種の運命のいたずら、といったものは ぼくらの胸のうちにつらい思いを果てしなくもなくかきたて、 心の痛みの神秘の扉を不意のぼくらの眼前にあけてみせるのだ。
こういう心の痛みは、魂のなかに悲哀の痕跡のようなもの、 苦い後味、幻滅の思いを残し、いつまでも忘れられないものなんだな。」
青年がリュクサンブル公園でお気に入りの小さな花壇で出会った老人。 老人は、誰もいない花壇で軽やかにバレエのステップをふんだ。 若い頃の栄華、愛が小さな花壇の前でくりひろげられる。 最後のダンスは、当時の花形バレエダンサーの老女と老人。 ささやかな舞台にみられるちりゆく桜の花のような悲哀。
モーパッサン。いくつもの切ない物語。
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