鹿島先生講演会。
先に展覧会をみる。 午前中なので人もまばらだ。 ロートレックの色彩のコントラストの鋭さと 省略化された構図に魅了される。
講演会が始まるまで、話をしながら、 ゆっくり図録を読む。
そうすると、隣の方に鹿島先生発見。 噂どおり黒づくめのいかつい様子。
スライドを使用しながらのお話。
ロートレックのリトグラフの素晴らしさとは 限界ぎりぎりに挑戦したから新しいと。 色彩、洋服の様子もごちゃごちゃ描くのではなく 斬新に単色で塗りつぶす。 そうすることにより、粋になる 今でいう、コムデギャルソン、ヨウジヤマモトの世界。
ロートレックは足が不自由だったので 物の動きに非常に敏感だった。 精密に描くだけだと動きがないが、 次にいく動作を予測しながら瞬間、瞬間の間の姿をとらえている だから、躍動感がある。
鹿島先生の話を聞きながら、谷崎を思い出した。 谷崎の作品で足フェチの老人と青年の話。 美しく艶かしい足を持つ女性の絵画を描いてほしいと頼む。 老人がお手本となる絵を青年にみせる 動作と動作のうごききつつある瞬間をとらえた絵だった あきらかに緊張した肉体で不自然な姿勢なのだが その姿勢が一番足を美しくみせられる。
ロートレックの斜めに描いた女性の姿も 体を少し曲げることにより、絵に躍動感がでて 洗練された様子が描かれるのではないのかと思った。
その他、お話は多岐にわたり、 参考になった。
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