りえるの日記

2004年12月18日(土) ロートレック

鹿島先生講演会。

先に展覧会をみる。
午前中なので人もまばらだ。
ロートレックの色彩のコントラストの鋭さと
省略化された構図に魅了される。

講演会が始まるまで、話をしながら、
ゆっくり図録を読む。

そうすると、隣の方に鹿島先生発見。
噂どおり黒づくめのいかつい様子。

スライドを使用しながらのお話。

ロートレックのリトグラフの素晴らしさとは
限界ぎりぎりに挑戦したから新しいと。
色彩、洋服の様子もごちゃごちゃ描くのではなく
斬新に単色で塗りつぶす。
そうすることにより、粋になる
今でいう、コムデギャルソン、ヨウジヤマモトの世界。

ロートレックは足が不自由だったので
物の動きに非常に敏感だった。
精密に描くだけだと動きがないが、
次にいく動作を予測しながら瞬間、瞬間の間の姿をとらえている
だから、躍動感がある。

鹿島先生の話を聞きながら、谷崎を思い出した。
谷崎の作品で足フェチの老人と青年の話。
美しく艶かしい足を持つ女性の絵画を描いてほしいと頼む。
老人がお手本となる絵を青年にみせる
動作と動作のうごききつつある瞬間をとらえた絵だった
あきらかに緊張した肉体で不自然な姿勢なのだが
その姿勢が一番足を美しくみせられる。

ロートレックの斜めに描いた女性の姿も
体を少し曲げることにより、絵に躍動感がでて
洗練された様子が描かれるのではないのかと思った。

その他、お話は多岐にわたり、
参考になった。




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