Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年07月16日(水)  Maybe I just want to fly

昨日の朝、またケーサツから電話が。10日の朝も電話で起こされた。ケーサツは訪問する時もいつも私の寝起きや風呂上りばかりを狙う。
何故いまだにしょっちゅう連絡してくるかというと。捕まった泥棒がうちの状況を供述しているのだが、それが私の言うことと食い違うというのだ。泥棒曰く、うちには「映画のDVDが沢山あった」「クローゼットにはスーツがいっぱいあった」とのこと。しかし私が何度も警察にも答えている通り、うちには映画のDVDはなく、音楽DVD約50枚は殆どDVD-RだからCD-Rと見分けがつかない筈だし、どっちにしてもCDとDVDは全てケースを捨ててファイル収納なので、ろくに物色していない泥棒の目につく筈もない。そして私にとってスーツは(はみーが言ったように)「コスプレ」に等しいから、一着しかないっつうの。

というか。うちを描写するなら、まず真っ先に「本がいっぱいあった」って言え。荻窪に引越した際に本を半分以下に減らしたが、今でも800冊近くはあるのだ。これが見えんのか。
と言いたいところだが。実際にそれが「見えない」人というのはいる。うちに何度も来ていながら、「あれ?本なんかあったっけ」と言ったりする人がたまにいるのだ。玄関を入ったらすぐ目に入る位置に高さ190cmの本棚がふたつあるというのにだ。よほど、活字に興味がないんだろう。

音楽と本とどちらが自分にとって重要かと問われれば、全く迷いなく本と答える。私は、10代の頃から言っていることだが、本を「食って」生きている。「モノ」としての本をあまり大事にしないのはそういうことだ。あれは食い物であり、私の血肉になり、私を生かす。

しかし音楽は。私が本でこしらえたイデアを揺るがす。錯覚を、妄念を、間違いを、蜃気楼を与える。苛々するような興奮を、壮絶なカタルシスを、うっとりするような恋を。―――切なさを。

今日、仕事の移動中にiPodをシャッフルしたら、初めて聴く音源がかかった。(また元ダンナがくれたのを聴き忘れてたんだろう) たくさんの鈴を鳴らしているようなきらきらしたアコギが鳴ったと思ったら、いきなり子供のような高い声が歌いだした。

Maybe I don't really wanna know how your garden grows, cos I just want to fly
度肝を抜かれた。勿論オアシスの'Live Forever'だっていうことはわかっている。けれどこの声。真っ裸で、何よりも、あの語尾を粘っこく引っ張る特徴がない。'Lately did you ever feel the pain'の'pain'の、本来ならこれでもかと伸ばすNの音を伸ばさずにぶつっと切ってしまう。
見れば'Demo'とある。1stのデモ音源か。
リアム・ギャラガーがあの語尾を伸ばす歌い方になったのは、たまたま彼がレコーディング中にそういう歌い方をしたのを聞いたプロデューサーだか誰かが「今のいいじゃないか!」と勧めたからだという。ではこれはそのことが起こる前の音源なわけだ。
個人的にはその歌唱法を勧めた人物にノーベル賞をやりたいくらいだと思っていたが。しかしこの、まるっきり体当たりで、ごまかしの全くない、誠実な、率直な、リアムの声。
―――1stのメイキングビデオで、当時のメンバーの一人が言っていた、デビュー前のリアムは「天使の声」だったって。これがそれか。
正直、'Maybe'という第一声だけでぞくっときた。CDでは他メンバーに歌わせている高い裏声も、すんなりと自分一人で出している。なんて、なんて綺麗なんだろう。
―――惚れなおし、だわ。リアム。

ナオキ(g)、今度この天使の声、聴かしてあげるからね。

Maybe I just want to fly (ただ天使の高みにまで舞い上がりたい)  *Live Forever / Oasis (1994) の歌詞。



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