Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年05月28日(水)  Don't need rain, just a glass of water

そうだ、ハニードッグス聴こう。
もう今は、普段好きな音楽をどれも聴く気になれないのだ。唯一例外の"You're So Great"だけをエンドレスで聴くのも何だし。
2002年に検索で間違えてひっかけて出会ったハニードッグスに惚れ込み、一時期は爆発的マイブームにまでなり、その後このバンドの異常なまでの無名さに驚いた。(日本で5人くらいしか知らないと思う。いや、まるちゃんとNariさんにも聴かせたから7人くらいかな) アルバムにアル・クーパーが参加してるんですよ、なんてことを言っても、私自身も彼がどこにどう参加しているのか知らないし。
とにかく、ハニードッグスなら聴ける。今は、全く押しつけがましくない音楽がいい。

アルバム"Islands Of Misfits"(今やオフィシャルサイトでも在庫切れのレア盤)の"Corazones Y Cabezas"を聴く。意味はスペイン語で"Hearts and heads"で、ハニードッグス唯一のメジャー盤である"Here's Luck"収録曲"Hearts & Heads"の別バージョンだ。別にスペイン語で歌ってはいないが、力の抜けるスパニッシュギターのようなものは入っている。本来私の大嫌いなスパニッシュギターの音を、これはもしやシニカルな冗談かと思うようなやり方で使っている。わざとアタックを遅らせてぐだぐだの骨抜きにしておいて、間奏はもう臭いメロウのプロトタイプ提示といわんばかり。メロウも何も、歌詞は"I want a ticket out of boredom"なんだからやっぱり油断できない。ラスト近くで「もう我慢できません」とばかりに突然一本調子で乱入してくるエレキが面白い。・・・やっぱ冗談なんかなコレ。
ホンモノの"Hearts & Heads"をいやってほど聴いてからこのバージョンを聴くと、すかすかな感じが胃にやさしくて、いい。

ハニードッグスってバンドは、短い試聴でもわかるほどにあまりに自分好みの音なんで、出会ったその場でアルバム2枚オーダーした(2枚しか売ってなかったのだ。今じゃオフィシャルを全部とライヴ音源も相当数集めた)くらいなんだけど。一筋縄でいかない歌詞を知ってからは、そのサウンドも見かけよりもっと深いんだなと思うようになった。例えば'Rumor Has It'は、明るく軽快なリズムに甘くやさしいメロディとは裏腹に、歌詞が救いがたく絶望的だ。("In the deep, deep blue you'll be swimming along with your concrete shoes and a straitjacket on"=「君は深い海の中を一人で泳いでいく。コンクリート製の靴と拘束服で」)
或いは"Sour Grapes"の出だし、"Twenty-eight, Twenty-six, a three alarm at five o'clock. Sirens getting louder"―――「2826番地、5時に警報が3回。近づいてくるサイレン」というシナリオのような歌詞もいい。
この明るい厭世観は何だろう。ギターボーカルがアダム・レヴィという、明らかにユダヤ人と知れる名前。このことがどう影響しているのかもわからないが。

ラヴソングを歌っていてもラヴソングにならない。このへんはキンクスに似ていなくもない。そういえばライヴでキンクスの'Picture Book'をやっていたっけ。

Don't need rain, just a glass of water (今は雨は要らない。グラス一杯の水でいい)  *Sour Grapes / Honeydogs (2001) の歌詞。



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