Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年05月08日(木)  The Conductor Dances

本日東京に来た父と、えみちゃんと、19時から初台のオペラシティで東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートを観る。仕事で来た母に父がついてきて、私も今日はたまたま休みになったので三人分のチケットを取ったら、母が行けなくなったのでえみちゃんを誘ったのだ。
音楽なんざ全くわかっちゃいなく、とにかく聴いてさえいれば幸せな父がたまたま選んだコンサートの演目は、なんとガーシュインの'Rhapsody In Blue'―――私が昔から大好きな曲。

遅刻しそうだったのでタクシーで駆けつけたら。沖縄から来た父はコンサートホールを見つけるのに迷わず、笹塚(初台から歩けます)から来たえみちゃんが迷っていたw
席をネットで予約する時、一階の真ん中へんを選んだのだが。これが失敗。というのは、左後方に隠れて見えないバーカッションが一番活躍していたのだ。・・・二階にしておけば手元を見られたのに。

1曲目はジョン・アダムズの「主席は踊る」・・・誰だそれは?
指揮者がヒュー・ウルフというアメリカ人。この人が傑物だった。細い体とひょろ長い手足で、見たこともないくらい表現力豊かに、まるで踊るように指揮をする。動きを見ているだけで曲の聴き方が解るという、コンサートという最終段階においてもきっちりと存在意義のある指揮者だ。
この若々しい指揮者がまず導き出した一曲めの音は。
―――か、かっこいい。これ、ミニマル・ミュージックじゃん。(後で知ったが、ジョン・アダムズはスティーヴ・ライヒとも一緒にアルバムを出していた) 坂本龍一がやっていてもおかしくないような曲だ。この曲にパーカッションが大活躍なのだ。18種類の音が入り乱れ、しかもそれぞれが印象的。

2曲目が「ラプソディー・イン・ブルー」で、今回はオーケストラにジャズのトリオ(ピアノ、ウッドベース、ドラム)を加えていた。しかし私はこれがあまり気に入らなかった。ピアノは何だか印象が弱く、ドラムも物凄く上手いのはわかるのだがつまらない。ジャズトリオのソロが終わってオーケストラの聴き慣れたフレーズに戻るたびにようやくストレスが解消される感じだった。
この曲はクラシックにジャズの要素を持ち込んだことで有名だが、実際にここまでやってしまうと逆効果なんだろうか。
この曲でも、一番前で叩いていたジャズドラマーよりも、やはり左後方で見えないパーカッショニストの方がいちいち印象的だった。
しかし。たまにこうやってクラシックだのジャズだのを観ると、テクニックという点ではロックの演奏レベルは基準が格段に低いことを実感する。今回のジャズドラマーだって、リムショットひとつ取ってもいちいち感心するほどだ。
―――けど。ヘタクソが怖くてロックが出来るかっ。
実際パンク好きなどは、単にヘタクソのみを喜んで聴く奴らも多いが。私を含めた多くのロック好きは、テクニック以外のものを聞き取っているのだと信じる。

ラストはベートーベンの交響曲第7番。これはかつてロマン・ロランが、「泥酔者の作であると言われている。それはまったく酩酊せる人の作である」と「絶賛」しているのを読んだことがあるが。
聴いてみて初めてその意味がわかった。第一楽章の目まぐるしいこと。主題がつかめない。軽いフレーズが発展せずにすぐに次へと切り替わる。
・・・よく指揮者はこんな音楽を覚えていられるなあw そしてこの曲、まさにこの指揮者の好みだと思われる。実に生き生きと躍動感を持って、ドラマチックに第4楽章をしめた。
えみちゃんも、うちの父親までもが相当感激した様子。

近くなのでパーク・ハイアットへ。NYグリルよりジランドールの方が美味しいのでそちらへ。後から仕事を終えた母も参加。
一番内容の多いコースに加えて単品も取り、更には人のものまであれこれちょっとずつもらう。シャンパン、パン、タラバ蟹とアボカドのサラダ、イベリコ豚生ハムなど添えたガスパチョ、鱸と海老の香草オイル焼き(ホワイトアスパラのソースが美味)、口直しのオレンジシャーベット、牛フィレ肉のポアレ、デザートはブルーベリーとゼリーのブランマンジェ、そしてコーヒー。

0時前に、コンビニに寄ってはいけないと自分をいましめつつ帰宅。

The Conductor Dances (指揮者は踊る)  *John Adams の曲'The Chairman Dances'(1985)の'Chairman'→'Conductor'に変えて。



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