Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年04月22日(火)  We've got another thing coming and that's our show

元ダンナが15時に我が家に来る。待たせておいて準備して、二人で六本木へ。
今日は、えっと何だっけ、そうそう、CHAD SMITH AND THE BOMBASTIC MEATBATSを観るのだよ。
って・・・いや本当は、会場に着くまでバンド名を忘れてました。(今も検索してコピペしましたw)
つまり、最初に正直に言うと、前もってネットでライヴ映像を見ておいたこのバンド、レッチリのチャドが公演発表直前ににわかに作ったというこのバンドの音楽自体は、全く私の趣味にあわないのだ。元ダンナも然り。そして二人ともそれを承知で来た。
要するに、ひたすらチャドを観に来たのだ。チャドがドラムを叩くのを近くで観よう感じようという、ただその一心。

そしてひたすら思っているのは。何で自分のバンドつくったんだろ。何でいきなりツアーしてるんだろ。
皆はそういう疑問はわかないのかな。結構私にはそれが一番重大な関心なのだが。

ああしかし。この六本木のライヴレストランときたら。私はステージから5人目の位置にいたんだけど。何故「5人目」という言い方をするかというと、一階ステージ寄りの席は全部、細長いテーブルを何列かステージに向けて縦に並べていて、そこにずらっと座らされるのだ。元ダンナ曰く、「修学旅行みたい・・・」
しかもステージ寄りの席は禁煙。そこで待つこと一時間。そろそろかと思われた頃にスタッフが前の方にまわってきて言うことにゃ。
「すみません、チャドからの要望で、最初だけでもいいからスタンディングで迎えて欲しいとのことで・・・」って。・・・先にやった仙台で、よほど反応が悪かったんだろうか。
と、いうことで。結局前が立てば後ろも立つ。最初どころかずっと最後まで、ライヴ・レストランにあるまじき(本来ご法度??)、1階総スタンディングとなった。

チャド登場。テーブルはステージにくっつけて置いてあるので、物凄く近い。ドラムの後ろに座り、どかんとスネア一発入れた瞬間、思わず「すげえ」と声が出た。レッチリの音だ。'Give It Away'の出だしと同じ音だよ、これ。うわあ。
と、思ったのも束の間。演奏が始まった途端に音が変わった。
軽い。パワーがないという意味ではない。いつもの鬼気迫る感じがなく、力が抜けきっている。普通(絶対ではないが)いいドラマーというのは、結局いかに力を抜くかだと思うのだが。これがもう見事に抜けている。ぱっと見には遊んでいるのかと思うほどリラックスしていて、ゆるいグリップと手首の軽いしなり具合を見ていると、スティックが抜けていかないのが不思議なほどだ。と思っていたら本当にすっぽ抜けた。勿論すぐさま新しいのを持って叩く。スティックをこれでもかというくらい回す回す、高く放り投げてはどんぴしゃのタイミングで受け取って叩く、かと思うと今度は受け損ねる。
ふと見るといつの間にかレギュラー・グリップになっている。かと思うとスティックを持ったままの左手をすいっと滑らせてスティックのショルダーを握り、くるりと持ち替えてマッチドにしてグリップ(ケツ)で叩く。シンバルもチップで上段から、手首を返してショルダーで斜め下からと、あらゆる角度から叩きまくり、どこから叩いても様々にいい音を出す。おどけた表情で時々は奇声などあげつつ、時には演奏の合間にタオルで汗など拭き、時にはビールも飲み。実に実に、楽しそうに自由自在に、叩きまくっていた。観ていてこちらも楽しい。

―――そうか。なるほどな。これがやりたかったんだ。
なんとなく安心した。「レッチリのチャド」が自分のバンドをつくることに軽い危機感を覚えていたのだが。世界的なバンドであるレッチリで出来ないことを、くつろいで楽しんでやりたかったのか。体のすみずみまで伸ばして血液を循環させるように、あらゆる能力をフル回転させてみたかったのか。
―――なんて、勝手に納得してみました。

足が見えないのだけが残念だったな。一度映像で見ていて、チャドが右足で刻むリズムが手で真似できなくて驚いたことがある。今夜もとにかくバスドラの音圧と安定感は何より素晴らしく、たとえビールを飲みながらでも、右足がペダルを踏んでいるだけで、しっかりと演奏が成り立っていたのが圧巻だった。

チャドがマイクを持って前に出て喋る。「今まで聴いたこともない音楽なのに、ちゃんと聴いてくれて有難う」と言う。・・・いーや、きっとこの会場にいるほぼ全員が、ネット上で音源をチェック済みだと思うよ。
「ホームタウンから遠く離れているけど、おかげでとても寛いだ気分だ」というチャド。本当に寛いだいい演奏だね。

つうわけで。ワタクシ99.9%チャドしか観ておりませんでした。他の3人はやたらといい男揃いで、特にベーシストは好みであったけど、そんなことはどうでもいいのだ。ギターは相当に上手かったが、そのギターがピック弾きだか指弾きだか後で人に訊かれてもわからなかったくらい全然見ていなかった。
しかし会場のオーディエンスは殆どそんなことはなく、実に暖かくバンド全体を歓迎していた気がする。バンド的には嬉しいだろう。いやあ、日本人って(皮肉でなく)和を重んじて礼儀正しいんだなあ。「聴いてくれて」有難うというチャドの言葉は実感なんだろう。

ライヴ後にサイン会があるようで、チャドが「みんな来いよ。今夜は(スタッフの誕生日だから)盛大にパーティーをやるんだ」と言ったので、これは行けば相当チャドと接することが出来そうだなと思ったが。(後で知ったがまさにその通りだったようで)
何故かまったく気がそそられず。考えることはただひとつ。「ああ、早くロックバーに移動して、酒飲みながらレッチリが聴きたい」
チャドの、いつもと違うドラミングをずーっと聴くことで、ちょっとずつじらされちゃったらしい。

「今から行く」と電話してから南阿佐ヶ谷BROCKに移動したら、きっちりレッチリがかかっていた。マスター曰く、「ずーっと用意して待ってましたよ」って。おお。エクセレント。

しかし一日食べていないのでハラ減ってしょうがない。というか、きっと元ダンナと一緒だからそうなんだろう。私たちって、一緒にいた頃は始終二人で食べてばかりいたから。
荻窪の「どんく」に移ってがっつり食う。うちから3分のホテルに泊まる元ダンナと別れて、2時半帰宅。

We've got another thing coming and that's our show (いつもとはまた違う感じのショーをやるんだ)  *Warlocks / Red Hot Chili Peppers (2006) の歌詞。



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