Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

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2005年11月22日(火)  The angel of the Lord just declared we aren't worth a thing

今日は英語の授業のリスニングに、トッド・ラングレンの'All The Children Sing'を使った。この2週間ばかり馬鹿ハマリしている曲。
最近、素晴らしい曲との出会いが続いている。これだけでもCROSS ROADに勤めて良かったと思うわ。

色んなタイプのミュージシャンがいるけど。トッド・ラングレンという人は、他に類を見ない独特の個性を持った天才だ。
1978年発売の'Hermit Of Mink Hollow'は、そのジャケットも含め、きれいいな一定のトーンを持つ珠玉のアルバムだ。一定している筈で、このアルバムは全てトッドが一人で録っている。
けれど、「ワンマン」だの「ひとりよがり」といった印象は微塵もない。きっとこの人は、他人を介入させる必要を全く感じないまま、或いはそんな手間も惜しいほどに、音楽がどんどん湧いてきてしまったんだろう。

それを見事に象徴しているのが、一曲目の'All The Children Sing'だと思う。

All the children sing
All the dancers start to sway in time
The orchestra begins to play
Somebody pours the wine
The sun and moon collide
Isn't gravity a funny thing
The universe explodes apart
All the children sing


このサビの素晴らしさをどう言えばいいのか。
一行一行がぶつ切りになっていて、それが高速で回転する回り舞台のように次々と切り替わって目の前に差し出される。何てまあ壮大なファンタジーだろう。重力(gravity)までも笑い飛ばそうという勢いだ。しまいには宇宙が吹っ飛んで、それでも子供達は歌い続け、ダンサーは舞う。
誰もなしえないほどの広がりを持った世界をつくりながら、そこに「自分以外誰もいない」────childrenもdancersも皆、魚の群のようなもので、自分と交差する存在ではない。
けれどそこに孤独はなく、ただ愛がある。
これはまるで、神の視点のようだ。神が、その才能のほんの一片を使ってふと作ったユニヴァース。
この壮大さを前に、己の存在を無にして身を任せると、きらめくようなエクスタシーが待っている。

ポップス=ポピュラー・ミュージックというのは、本来クラシックに対して、それ以外の音楽を指す言葉だった。今ではクラシック以外の音楽も各々大きな顔をし始めて、ポップスという言葉は次第に通俗的で個性の薄いイメージに変わったが。
トッド・ラングレンのこのアルバムは、極上のポップスだ。
それこそ、「ロックなんかであるもんか」というくらいに。
(11/28up)

The angel of the Lord just declared we aren't worth a thing (天使が僕らを無価値だと断言する)  * All The Children Sing / Todd Rundgren (1978) の歌詞。


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