Rocking, Reading, Screaming Bunny
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Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2005年11月12日(土)  Gimme BLACK AND BLUE beautifully

時間の感覚が消えていた。ここがあの人の亡くなった場所か。ああそう。そんなこと言われてもねえ。意味がわからないよなあ。

今朝までの雨が嘘のように上がって、この季節なのに、気分は夏だ。頭上に大きな木の枝が広がっていて、風がざっと吹くと、葉にたまった雨をばらばらと降らす。
ひとは、こんなに簡単に死んじゃうもんなんだなあ。

私はどういうわけか、あなたの死亡診断書まで見たんだよ。
あなたが死んだ日のこと、何でも知ってるわ。
これが最後の。最後の仕上げだ。あなたの死んだ場所。

あのねえ。私はあなたが死ぬのと入れ替わりで、あなたがやっていたのとほぼ同じことを始めたんだ。毎晩暗い場所にこもって、ロックをかけて、お客を待って、お酒を出して。あなたの死ぬたった11日前からだよ。
だからね。
だからまるで、私には、私があなたのやっていたことを引き継いだように感じてしまうんだ。あの暗い場所をあなたから受け取ったような気が。
だから店で独りになるたびにいつも考える。
あれから一年余りが経過した今でも。毎日のように思っている。こうやって独りでいたんだろうか。

ひとはやっぱり、あまり暗いところにばかりいると、精神的に良くないんだろうなあ、なんて。普通に考えたりなんか。

今は真昼で。頭の後ろに太陽の熱を感じながら、なのに背骨からぞくぞくと冷えていく。両手が氷みたいになっている。
皆───TACさん、猫ちゃん、marikoさんが待っている。いい加減行かなくちゃ。動かなくちゃ。私もうどのくらいこうやって動かずに立っているの? 根が生えたように立ち続けだから、足の裏が痺れてくる。
きっと私は、ここに一人で来ていたら、暗くなるまで動けなかったに違いない。

ずっと一点を凝視していたら、だんだんと周りの樹木の緑色が中心に向けて狭まってきて、視界の周辺がまるくぼやけてきて、頭の後ろで蝉の鳴き声のような耳鳴りがして。
────ああ、もしかしたら私、生まれて初めて気を失うかもしれない。
そう思った瞬間に、猫ちゃんに話しかけられた。何かがぶつんと途切れた。
助かったんだか、邪魔されたんだか、わからなかった。

幽霊なんかいないわ。少なくとも生きているひとの前に出てくることなんかない。
だって。この一年あまり、どれだけ話しかけても答えてくれなかった。

あのね。今じゃ私、きっとあなたとかなり対等に音楽の話が出来るよ。いや、別に話さなくていいんだけど。もともとあなたとはあまり会話はしなかった。しなくてよかった。だから未だにあなたのことはあまり知らない。
だけどあなたは、どの彼氏よりもたくさん、私の涙を見たはずだ。

BLACK AND BLUEか。
この言葉の意味が、この数年でこれほど変わってしまうとはね。
あなたは私の顔に、まさに消えない青痣(black-and-blue)を刻印した。
あなたは私に、ロック・バーという暗く沈んだ(black and blue)空間を手渡していった。

今やこれは私の問題なんだ。
(11/21up)

Gimme BLACK AND BLUE beautifully (私に美しい青痣を与えて)  * BLACK AND BLUE / Screaming Bunny (2004) の歌詞。


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