a short piece

2004年08月05日(木) telephone line【塚不二】

早起きはすごく苦手だ。
特に暑くなり始める夏なんて大嫌いだ。
暑くて布団からはみ出した足の、膝のうらに感じる汗とか首筋に少し張り付く髪の感じとか全部が苦手。

そう思ってた。

週末、携帯の電源は必ずoffにする。
朝の惰眠を誰にも邪魔されたくなかったから…。
だけど今年の夏はどうしてもそうはいかなかったけどね。

ほら。
今日も朝6:30。
新しくしたばかりの携帯のディスプレイが光る。
彼だけの着信音が鳴った。
それは少し前に2人で聞いた思い出の音。
10秒も聞いたら、ぱちんと開く。

「…はい」

おはよう。

「うん、おはよう。手塚」

週末の一瞬の至福。
少し音は遠く掠れているけれど、そんなことは平気。
彼の声だってわかるから。

そんな瞬間。
ほんとうに短い時間だけど、僕は幸せだ。

耳元に繋がる、少し遠くて近い距離の分だけ、この思いが届くように。
一言にすべてをこめて。

「好きだよ、手塚」

7日に1度の告白。
顔がみえないからこそ言えるから…。
今のうちに一生分、言ってしまえ。

好きだよ。ホント。

end


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