ハッピーステップ
泥沼生活から、這い上がった軌跡(日記のはじめのほう)を書いた後
最近では、日常の感じた事をつらつらと、不定期に更新中ですm(_ _ )m

2003年10月30日(木) 第54章 消え去った想い(part3)

私が、笑って、あきらちゃんの言葉に受け答えしたのを見て、
あきらちゃんは安心したのか、私の肩に手を添えて、
「ほんとだよ。会いたかった。」そう言った。


どういうつもりでそう言ったのか、本当のところはわからない。

どうせ、私と別れて、自由になるお金も少なく、一緒にいる女の人も
いなかったので、一人でいることが寂しくなって、手っ取り早く、
私に会いにきたというのが、大方の理由だろう。
そうでなければ、自分のイライラしているときに、
私に自分の欠点をつかれて、
うっとおしく思い、勢いで別れを切り出したものの、それを後悔していたか。
私は、そのように判断した。




私は、適当に話をはぐらかして、
「高瀬さんは、元気でやっているの?」と聞いた。

アルバイトをしながらでも、夢を持ち、あきらちゃんの会社で、
一生懸命働いていた高瀬さんの事は、気がかりであった。


「あぁ。辞めてもらったよ。あいつがやるような仕事はないし、経費削減。」
あきらちゃんは、いとも簡単にサラリと答えた。

私は、言葉が出なかった。

自分で会社に誘っておいて、そんな無責任な言葉があるだろうか。
怒りに震えた。私だけならまだしも、高瀬さんまで。。。。

私が、怒りに震えている事にも気付かずに、
「今日は、泊まりに行くぞ」と、あきらちゃんは、私の肩を抱こうとする。
自分が、こうして会いに来れば、
私が、手放しで喜ぶとでも思っているのだろうか。



「やめて、そんな風に、ベタベタすれば、
私がどうにでもなると思っているんでしょ?」
様子のおかしい私にあきらちゃんの手が止まる。

「あきらちゃん、私に会社に来なくてもいいって、言った時の自分の言葉
覚えてる?おまえなんかより、奥さんや、みかちゃんへの方が、
よっぽど迷惑かけてるって、言ったよね。
じゃあ、なんで、私にまた会いに来たのよ。
自分で、迷惑かけたぶん、なにか改善する努力したの?
私がかけた迷惑なら、私は、どうにでもして、償うよ。
あきらちゃんが人にかけた迷惑まで、自分でなにもしないで、
私に擦り付けないでよ。」
あきらちゃんは、黙って、下を向いていた。



かろうじて、その情のようなもので、
せき止められていた言葉が、
口をついて出てきた。





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