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2007年08月30日(木)
金網の向こう側、照らす月灯かり。





眩暈を覚えるほど強い光を放ち、
世界中の何よりも強く其処に在る太陽を、
漏れる溜息よりも多い数のシャッター音で、
別れを惜しむかのように、
心と、カメラと、瞳に刻み続けた。


ふと思い出したかのように振り向くと、
車の後ろを開けてそこに座っていた彼が、
愛しいものを見るような、
優しさを湛えた瞳で微笑んでいた。


迷子が親を見つけて安堵して、嬉しくて、
両手を広げる温かな胸に駆け寄るのと同じように、
笑顔で見つめる彼の元に駆け寄り、
その首に手を回して抱きつくと、
「俺のこと忘れちゃったのかと思った」と言わんばかりな、
彼の腕が、優しく抱きしめ返してくれた。


触れ合う胸と胸、頬と頬から伝わるものに、
思わず、さらに頬が緩んで、
ありったけの想いを込めて思い切り抱きしめた。


首に回した手を緩めて見詰め合うと、
やっぱり彼は優しく微笑んでいて、
互いに微笑みを交わしてから唇を寄せる。


「綺麗だよ。とっても。」


彼の膝の上に座って、頬を寄せ合いながら、
腰に回されてる彼の手に手を重ね、
沈んでいく今日という陽の終りを眺めてた。


聞こえてくるのは風と波の音。
見えるのは強い、強い太陽。
そして、愛しい彼の笑顔と想い。


きみがそこにいるだけで私は幸せだ。