初日 最新 目次 MAIL


catch A wave
6+9hz
MAIL

My追加

2007年06月27日(水)
maximum OF life




「最近、精神的に疲れ果ててて、
 心がトゲトゲしてるから、
 お前に逢って、安らぎたい。」


彼にしては珍しく弱気なその発言が気になった。


疲労が滲み出た顔をして逢いに来たから、
ますます心配になったけれど、
彼がいつもそうしてくれるように、
ずっと手を握って離さずに、
ただただ繋いだ手で体温を分かち合った。


したくない話はしなくていい。
したくなったらすればいい。


私は変わらずに傍に居て、笑ってあげるから。


優しく優しく抱きしめて、
何度となく頬に、額に、唇にキスをして、
彼の求める安らぎを与えた。


「愛してるよ。」

「うん。俺も愛してる。」


抱きしめる腕に少しだけ力を入れる。
「私はここにいるよ、ちゃんといるよ」
そんな言葉に出来ない想いを込めて。


「ちょっとだけ眠らせて。」


そう言って私の首筋に鼻を寄せて、
手を繋いだ途端小さな鼾をかき始めた。


眠る彼の横でテレビを見ながら、
時々彼の顔を覗きこんで、
眠ってるのを確認してから頬を緩める。


目覚めてすぐの寝ぼけ眼の彼を抱きしめて、
小さな子どもをあやすように、
背中に回した手をゆっくりと上下に動かし摩る。


「安らげた?」

「この短時間で俺、イビキかいてたんだろ?」


いつだって言葉足らずで苛立つことも、
不安になることも凄く多いけど、
多くを口にしないのは、
言葉にしてしまうと嘘っぽくなるからなのかな。


彼らしい回答に笑顔が零れた。