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ムシトリ日記
加藤夏来
→ご意見・ご指摘等は

2005年07月11日(月)
GWの頃に書いた発掘した文章

何故かGWに実家に帰った折、日記に載せようと思って書いた文章が、雑文入れの中で塩漬けになっているのを発見しましたので、これを忘れないうちにアップしておきます。正真正銘くだらない笑かしなんですが、だからこそ捨てるのはもったいないと……。


--------------------------(以下過去の文章


爽やかな気候です。爽やかに引きこもっております。昨日までは外を出歩いておったのですが、それも飽きたので本格的にPCに向かっています。今頃原作の方の「Shall we ダンス?」とかを見たので、ああそう言えば結局うちのくくにょって兄と踊ってないじゃん、この展開だといつになるんだろうと思い、挙句に元のゲームの話は本当にどこ行っちゃったんだと暗澹としています。そんな感じの作業中です。

芸なくボケボケしてるのもアレなんで、折角在所だしと自分の兄弟スキーのルーツをさぐる旅路に出てみました。押入れに。


とりあえず聖T☆矢のアニメスペシャル1と3が出てきました。もう直で見たことない若い衆もいらっしゃるでしょうから、一応説明しますが、これは13歳から15歳の義務教育ほっぽってる男子が五名、殴り合いで世界を救おうというお話です。彼らが奉ってる女神さま(と言っても自分は女神であると主張している13歳の女の子です……職業は財閥の総帥です……)が毎度危機にさらされ、彼女がわるもんにやられてしまうと地球が危ない(何故だ)ため、瀕死の重傷を負いつつその女神さまを助けるというストーリーになっています。

当時、美形キャラを複数集めて色々なアイテムを着せ、アニメを全国に放映しておもちゃ会社とのタイアップで商売をやっていく、という商法が出てきた初めの頃です。ガキ・黒髪長髪・金髪碧眼とタイプ別に網羅されていた主人公グループの中に、カテゴリ「兄弟」が一組おりました。と言っても、最初は敵であった兄の方の登場にあたり、「そっちのほうがインパクトがあるから」というだけで兄弟になった、「女顔担当」の弟、という組み合わせです。

この二人が、主人公グループが安定していなかった当初の展開が終わると、兄弟キャラだけで全ての展開を渡っていくようになりました。

とにかくとにかくどんな敵が相手であろうと、まず兄は最初はグループの中に入っていません。そして主人公グループのお約束として一人一人がタイマンでバトルを行うわけですが、弟くんは何があっても勝てません。(一応秘密の切り札はあるんですが、ちゃんと役に立ってるのを見ない)弟がぶちのめされたところを見計らって、兄が出てきて敵を殺ります。これがワンセットです。

実績が出たからそういうお約束になったんでしょうが、この繰り返しによって『一人では何もできないやつ』と化した弟くんは、女性的をとっくに通り越し、ほんとにいさぎよいオカマになっていました。

今思い出して布団の上をのた打ち回ったのですが、各美形キャラには「テーマソング」というものがひっそり用意されており、弟くんのそれの歌詞は声優さんが裏声で叫ぶ「そうだね兄さん、そーおーだーねー♪」という……小学六年生当時でさえ聴いた瞬間にテープレコーダーの電源をたたっ切ってしまったような代物でした。さすがに百何話だったかのアニメシリーズ中にも、一回しか使っているのを見たことがありません。ついでにその場で目を覚ませよと、昔の自分に言いたいです。あの弟はなあ、姉さん座りで両手を揃えて傍の箱にしとやかにもたれかかるような男なんだぞ!

そう、以前も書きましたがこの弟、アンドロメダ瞬はいわゆる一つの自分にとっての「初恋の王子様」というやつでした。今アニメスペシャルを読み返して見ても、瞬は人気投票で総合一位をとっていたりして、それは決して珍しいことではないのですが、いかんせんオカマです。そして今に至るまで私はきれいなオカマさんが大好きな人間ですので、その呪いの深さたるや尋常なものではありません。

ついでに思い出したので記しておきますが、アニメ☆矢には当時、誰もが目を疑った演出がありました。「凍らされて死にかけた仲間の一人を、瞬が体温で温めて命を救うの巻」という、これは原作にもあったエピソードで、「男同士でくっつくのって美しくないじゃん?」という思想の元その回のスタッフが突っ走ったのです。原作では「床に座らせた状態の仲間を片腕で支えている」オンリーだった姿勢が、アニメでは「床に仰向けにさせた仲間に添い寝して、半ば膝が交差した状態になるまで脚を絡ませ、頬を寄せて抱きしめ(以下省略)」に変わりました。そして、野郎同士のこのシーンを「美しく」するために、この回の作画の瞬はどこからどこをどう見ても美少女にしか見えない顔にされていました。むしろ逆効果なんじゃねえかというか、別の効果を狙ってるようにしか見えません。ええ認めます。ビデオにとって何回見直したことやら。

そろそろ何が言いたいか分かってもらえますか。

BL、やおいが同人女界に芽生えて幾星霜。長からぬその歴史の中で、☆矢ほど盛り上がったジャンルはいくつもありません。原作者にとっていい迷惑だっただろうことは重々承知ですが、こういう遊び方、こういう作品の愛し方が日本の漫画界に確固として存在していたことは確かなのです。その源流はと言えば、きれいな顔の少年とまごうかたなき女の境界壁を限りなく薄くしていく、非常にオーソドックスな手法にありました。

というわけで結論。

ククールが女受で何が悪い。
私はきれいなオカマさんが大好きです。

ろくでもない締めが入ったところで、ルーツ探索は終わりです。