SAY-TEN DAIRY 〜晴天日記〜

2004年12月12日(日) あなたを見送る日

たくさんの人が、ほんとうにたくさんの人が
あなたを見送るために集まってきました。

46歳。
12月3日に倒れ、そのまま緊急手術。
直後に奇跡的な回復を見せ、周囲を安心させるも
1週間後の9日に容態が悪化、
そのまま帰らぬ人になった・・・
ここに来て始めて知ったことでした。

クモ膜下出血。
つらい事やストレス、愚痴や弱音を決してこぼすことなく
むしろ心の奥底に溜め込んだのだろう・・・
周囲の一致した意見でした。

ならば、周りの人が殺した事になるのか!?
今となっては遅すぎて・・・
すべてが遅すぎることです。
もう、あなたは還ってこないのですから。

まだ、若い頃。
僕の事をとてもとても心配してくださいました。
僕の事をとてもとても可愛がってくださいました。
マジメな人でした。

幼き頃、新聞配達で家計を支えていた苦労人なのに、
某企業内で新記録の出世を為した人なのに、
少しもおくびに出さず鼻にかけず、
ただただ実直に自分の人生を生きた人でした。

隣に、あなたもよく知っている先輩がいました。
久しぶりに会いました。
「こんな席でこんな形で会うなんて・・なぁ?」
苦笑いしてました。
でも、あなたの遺影を見たときに号泣していました。
「・・・勘弁してくれよ・・・」泣きながら先輩は言いました。
僕も同じ思いでした。

でかいでかいあなたの遺影は、
遺影の中のやさしい笑顔は、
あなたそのもののようでした。
そう、一度も声を荒げて
怒った姿を見たことがない人でした。
昨夜の僕を見たら・・・何と叱ってくれていた事でしょう・・・。

静かに手を合わせて心の中で何度も何度も・・・
「・・・この世には死んでもらいたい人がたくさんいるんだ・・・
たくさんいるんだ・・・あなたがこんなに早く逝かなくても・・
・・逝かなくても・・・」

また泣いてしまいました。

葬儀会場を大きな幹線道路を挟んで向こう側に見ながら、
あなたの棺が焼場に向かっていく時に
雨が降りました。
僕や先輩や、参列者の涙のようでした。

見送った後、
ため息をついて、
しばらくは雨に濡れながら会場を後にしました・・・。

あなたを見送る日は、いつもの時間が流れていくように、
終わっていきました。


○ LET IT BE / THE BEATLES


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