入学以来、毎年配布されるMAU手帳を使っている。
内側のポケットのところに
大事なレシートやら記念にとチケットやらを挟んでいくもんだから、
最後のほうになるとちょっぴり分厚くなっている。
そして愛着も沸いているもんだ。
この手帳は4月から翌年の4月まで使えるようになっているので、
いつも翌年の4月まで使い切り、5月になってから新しいものへ移行している。
別に5月を待たずに移行してもよいのだけれど、
なんだかそのまっさらの手帳は心もとなくて、
なかなか子離れできない親のような心境で古いほうの手帳を使い倒している。
使い慣れ、使い古したものを手放して、まっさらなところへ飛び込むのは
いつでも大変なことだ。
手垢でよごれたページの側面とか、使う内に折れてしまったページの端っことか、
汚れたりぼろぼろになっていても、この一年の間に自分の手になじんできたのだ。
たったの一年、されど一年である。
だれにも平等に与えられた一年を、「私」が過ごした一年が凝縮されている。
ぐーたらに過ごしてしまった空白も、あわただしく過ごした安心も、
その一年に満足だろうとなかろうと、とにかく全部つまっている。
もう少ししたら、世間より少し遅れて新年度がはじまる。
そんなわけで、まだもう少しだけすがりついている。
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