偶然ってすごい。
たまたま今日、村上春樹の「神の子どもたちはみな踊る」を読んだ。
内容を知らずに読み始めてから、そういえば今日があれから10年という区切りの日だと気づいた。
『地震のあとで』その一〜その六という連作がおさめられた短編集。
偶然にもきっかり10年という時間たどって、文章は届いた。
ありとあらゆる文章は未来に向けて書かれている。
文字になった瞬間、過去になる。
でもその文字に意思はないはずだ。
にもかかわらず、その文章はまるで意思をもって今日私に読まれるために書かれたみたいに思えた。
たまたまなんだけど。
そんなんじゃ片付けられない奇妙な何かがあるような気がした。
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