ひとりごと
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パソコンに向かっていた顔を上げたら お向かいのマンションがオレンジ色に光っていた。 夕焼けだ! 外に飛び出した。
空が光っていた。 ざーっと吹いた風は涼しく首筋に爽やかだった。 森からツクツクホウシの声が風に乗って流れてきた。 お向かいの窓から、トントントンとリズミカルな包丁の音がした。
気持ちのいい空の下を私は歩いた。 刻々と変わっていく空の景色を自分の心とカメラに収めた。 泣きなくなるようなきれいな夕方だった。
こんな美しいものを見るとき、私は自分の子どもがほしくなる。 子どもに見せたいと思う。 「空がきれいだよ。夕空を見に行こう!」と、子どもと外に出たい。 一緒に空を眺めたい。
その子が大きくなったとき、風に吹かれたり、本を読んだり、誰かと話したり、 そんななんでもないときに、ふと思い出してくれるだろう。 美しい夕空のことを。 風の音やセミの声や母の手のことを。 「夕空を見に行こう」と言う言葉を。
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