ひとりごと
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この頃は夕方の買い物に行くと、帰り道は目の前に月がある。 夕月を追いかけながら歩く。 日に日に丸くなっていく月を見ているとせつなくなってくる。 ほら、もうすぐ満月になる。
べべが死んだのが満月の日だったから。 あの帰り道の、美しすぎる明るすぎる真ん丸い月を思い出す。 あぁ、前のこの月の時にはまだべべはいたんだな、とか まだ1ヶ月もたっていないんだな、なんて、どうしようもないことを考える。 昨夜などは、体の具合が悪いこともあって、せつなさが寂しさになって 床に突っ伏したまま、ぼろぼろと涙が出てきた。
いけない、いけない。 こんなことではべべが心配する。 ジュジュも夫もびっくりしちゃう。 顔を見られないうちに、寝たふりをした。 ちょっと息が苦しくて、しんどかっただけだよ。 もう大丈夫だよ。
今朝、目が覚めたら本当に元気になっていた。 なのにお昼には、アカヒレが死んでいるのを見つけてしまった。 えさをやろうとしたら、水槽の中にいなかったのだ。 飛び出て、テーブルの上で乾いていた。 悲しかった。 ショックだった。
まさかアカヒレが、あの小さな魚がジャンプして水の外に出るなんて! 文字通り自殺行為だ。 おとなしいアカヒレは、助けを求める声を出すこともせずに乾いてしまった。 気がつかなかったことが申し訳ない。
不可抗力だとはわかっているけれど、やっぱり生きものが死ぬと言うのは落ち込むよね。 去年、水草のおまけでついてきて、1年半もの間、同じ部屋で暮らしていたのだもの。 夫やインコたちと同じ、家族だったのだもの。
私のことを覚えて、近くに行くとえさをもらえるのだと思って水面まで上がってきていた。 緑のセロハンのような水草の間をひらり!とすばやく泳いで銀色の体が瞬いた。 透明な赤いひれがステンドグラスのように輝いた。 小さな真ん丸い目で、何を見つめていたのだろう。
せっかくあんなに大きく育って、よく太っていたのに。 えさもとってもよく食べていたのに。 あんなに元気だったのに、元気すぎて飛び出しちゃったんだね。 水の外に、何があると思ったのだろう。
物静かな動物だけれど、楽しそうできれいだった。 私たちも、眺めるのが楽しかった。 大好きだった。 やっぱり、言えるのは「ありがとう」そして「ごめんね」。
満月から次の満月までの間に、2つの命を失ってしまった。 みんな逝ってしまう? ジュジュちゃんは置いていかないでね。 元気でいてね。 明るい歌声にほっとするよ。
あぶない。 また「プチ鬱」になりそうだ。 明日は元気なお日さまみたいな黄色の服を着よう。 大丈夫。 ちょっと今だけ。 きっと丸い月のせいだよね。
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