ひとりごと
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台風がやってきていた。 強い風と激しい雨が家を揺らした。 庭にどんどん水たまりができる。 でも、今日は月に1度のお楽しみ、パン教室の日なのだ。 体を拭く大きなタオルを荷物に入れ、ジーンズとスニーカーで出かけた。
教室に入ってみると、こんな日なのに、全員の顔がそろっていた。 「欠席の連絡が来ないので、どうしたかと思いましたよ。」と先生。 「来るのは私だけかと思った。」 「2、3人しか来ないと思った。」 「みんな好きなのねぇ。」 10人、顔を見合わせて笑ってしまった。
今日のメニューはドーナツが3種類。 発酵した生地を分割して、おいしそうなフィリングを作って入れて、また発酵させて。 そして大きなお鍋のたっぷりの油で揚げていくのだ。 シートから油の中に滑り込んだドーナツたちがぷかぷかと浮いている。 お花の形のドーナツがぶくぶくと泡を立ててどんどん色づいてくる。 かわいい、楽しい、おいしそう! 5人ずつ、お鍋を囲んでひっくり返すたびに歓声を上げている。
やがてからりとドーナツが揚がり、お皿の上に並べられた。 お花型と、まん丸がいっぱい。 なんて楽しそうな光景なんだろう。 みんなの顔がにこにこしていた。
外の雨はますます激しく、風は強く、雲は暗いけれど、 教室の中は白い光と、香ばしい匂いがいっぱい。 熱々のドーナツをほおばった。
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