ひとりごと
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最後のお散歩 2004年04月29日(木)

お隣さんのお引越しの日が近づいている。
夕方、リズちゃんと最後のお散歩をした。
リズちゃんに会いたがっていた妹もやって来て、
お隣さんのお嬢ちゃんと妹、私の3人で緑の爽やかな道を歩いた。

妹にリードの端を持たれ、リズちゃんは先頭を切ってタッタカと歩く。
道順はすべてリズちゃんが知っている。
私たちはリズちゃんの後姿を見ながら、おしゃべりをした。

「こんどこうしてお散歩するときには、リズちゃんはすっかりおとなだね。
ユキちゃんも、もう中学生になっているのね。」
「うん、そうなるのかな?」
「私よりも背が高くなっているかもしれないね〜。」
「そうだね!」
ユキちゃんは私を見上げ、嬉しそうにジャンプした。
5年後、すっかりいいお嬢さんになっているのだろうな。
結んだ髪がぴょんぴょん跳ねるのを、まぶしいような思いで眺めた。

今度、お隣さんたちが住む街は、私が幼い頃を過ごした懐かしい街だ。
ちょうどユキちゃんと同じ年のころに、私はそこを離れた。
そんなことも話した。
明るいきれいないい街だ。
でも、お嬢ちゃんが生まれたころに大きな地震があって、その街も被害を受けた。
私の住んでいた家も幼稚園も、もうなくなってしまった。
新しい街で待っている彼女の友だちにも、そんな経験をしている人がいるのかもしれない。
もうすぐお隣さんが住む懐かしい街、いずれ訪ねてみたい。

今、私たちが住むこの街も、懐かしい街になるのだろう。
青葉が美しい並木道、薔薇が咲きこぼれる庭、優しい人たち。
ユキちゃんは、今日のことを時々は思い出すのだろうか。
リズちゃんは、この街の匂いを覚えているだろうか。

30分ほど歩いて、家の前まで帰りついた。
お嬢ちゃんは、道で遊ぶ友だちの輪にそのまま加わった。
私はインターホンを押して、お隣さんにリズちゃんをお返しした。
リズちゃんはもっと遊びたそうに、ぐるぐると私たちの周りを回っては顔を見上げた。
いつの間にか、近所の人たちが集まってきていた。
いい機会なので、みんなで相談して買ったお餞別の品を渡すことにした。
みんなが見守る中、お隣さんはすぐにそれを開けてくれた。

犬のレリーフがついているフォトフレーム&アルバムと、
リズちゃんと同じシェルティの絵が描かれた大皿と小皿のセット。
お隣さんも、お嬢ちゃんも喜んでくれた。
よかった!
そのまま、妹に頼んで、みんなが集まった記念写真を撮ってもらった。
それぞれのおうちの犬たちも子どもたちも、珍しく勢ぞろいしていた。

こうしてだんだんと別れの準備が進んでいく。
連休明けに小学校の遠足があって、その次の日に行ってしまう。
楽しい思い出をいっぱい持って行ってほしい。
そして、むこうでも楽しい思い出がたくさんできますように。

5年後、新緑のこの道をユキちゃんとリズちゃんとお散歩しよう。


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