ひとりごと
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今日はおひな祭り。 なんのご馳走の準備もしていないけれど 桜餅の材料だけは買ってあった。 大好きな関西風の道明寺の桜餅だ。 3時のおやつに間に合うように午後から作り始めた。
白とほんのりピンクの2色を作るつもりだった。 ところが食紅がなかった。 昔からいつでもそこにあると思っていたのに。 そもそもあれは、1度買うと「一生もの」って言うほど使いでがある。 そんなにすぐに使い切るわけはない。 それとも買ったのは気のせいだったか…。 結局見つからなくて、食紅の代わりに赤ワインをたらした。 お湯も粉もいい色に染まった。
ところが、蒸しあがってみると布巾の中のもち米は 淡い微妙な葡萄色だった。 うっかりすると、グレーにも見えるような難しい色。 白とグレーのお菓子では、ちょっといけない。 葡萄色の方には、塩漬けの桜の塩を抜いて、みじん切りにして混ぜ込んだ。 ピンクの花びらがところどころ見えて、ちょっと春らしく華やかになった。
熱いもち米に少しのお砂糖をもみこんで、等分に分けた。 それを手のひらに伸ばして、俵型に丸めておいたあんこを包んだ。 最初は平らに伸ばせなくて、まだらにあんこが透けて見えていたお餅も だんだんなめらかに、きれいな俵型に形作れるようになった。 ほの温かいお餅がお皿に並んでいった。
白が10個、桜模様が10個、かわいくできた。 それを、塩抜きしておいた香りのいい桜の葉っぱで包んだ。 憧れの桜道明寺が出来上がった。
嬉しい。 とっておきの漆の角皿に並べると、 じたばたしながら作ったとは思えないくらい立派に見えた。 ちょっと、まるでお店のお菓子のようじゃない? すぐお味見したいけれど、もう少し我慢。 まずはおひなさまにお供えする。
丸い塗り皿にお懐紙を敷き、白と桜をひとつずつ乗せた。 ふたつのお皿を、大事なおひなさまの前にそっと置いた。 「ささやかですが、今日のおひな祭りのひと品をどうぞ。」
さあ、次は私の分。 すぐにつまんで口に放り込みたいけれど、もう少し我慢。 せっかくだからいいお茶を淹れましょう。 丁寧に淹れて、お気に入りの薄手のお茶碗でいただきましょう。 3時はちょっと過ぎてしまったけれど、 おひなさまとのゆっくりとしたお茶の時間。 「いただきます。」
まだ温かいできたての桜餅はとてもおいしかった。 心配していた桜模様の方も、桜の花のちょっとの塩加減が うっすらと感じられるワインの香りと似合っていた。 中のあんこは、もともと「特選」の十勝あんこだ。 これがおいしくないわけはない。 私がやったのは、粉を蒸してあんこを包みながら形作っただけなのに、 出来合いの葉っぱをそれに巻きつけただけなのに、 とっても充実した手作り感、満足感。
あっという間に3個を食べてしまっていた。 食べ過ぎ注意。 明日会う妹や姪たちの分も残しておかなくちゃ。 あの子たち、喜ぶかな。 私が作ったって言うと、びっくりするかもしれない。 ほんとは作るのは簡単なのだけれどね。
みんなの笑顔を思い浮かべて嬉しくなった。 おひなさまも笑っていた。 楽しいおいしい春のお菓子。 今日〜は嬉しいひな祭り♪
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