ひとりごと
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最終講義 2004年01月10日(土)

懐かしいキャンパスに旧友が集まった。
見慣れない新しい校舎の明るい教室は少しよそよそしかった。
その向こうの木立は昔と同じ景色を作っていて美しかった。
19年ぶりの教授の声はまろやかに耳に響いた。

四十数年、教壇に立ち、数え切れないほどの講義を持ち、
何千人の学生を育てて来られたのだろう。
今日のこれが、最後の講義。
「話したいことはいっぱいあるのです。」
もっと聞きたかった。
でもこれで最後。

配られた略歴で、私と同い年のお子さんがいることを知った。
ただただ厳しくて恐いだけの先生だったのが
急に「お父さん」のように身近に感じられた。
当たり前のことなのに、先生にも先生以外の顔があったことを初めて思った。

学生時代とは違う気持ちで、進んでいく時計の針を時々見つめた。
あと何分。
もうすぐ終わる。
終わってしまう。
「これで最後の講義を終わります。」
書類を重ねて、先生が晴れ晴れとした顔を上げられた。
音楽が流れ、花束が渡された。

どうもありがとうございました。
お疲れさまでした。
できの悪い、いたらない学生だったけれど、最後の言葉だけは忘れません。

「今日の日を楽しめ!」


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