ひとりごと
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昨日は元気に出かけたのに、やっぱり今日はしんどかった。 食事の支度をして、夫と一緒に選挙に行って、 それ以外はずっと眠っていた。 こんこんと眠れるこの感じはやっぱり風邪のものだ。
夜、汗をかいて少しすっきりして目覚めた。 食事をして、お風呂にも入った。 体も頭もずいぶん軽くなった。 部屋を見ると、昨日帰ってきた荷物がそのまま放ってあった。 口のあいたバッグを片づけようとして、中に光る箱を見つけた。
そうだ。 昨夜、昔の友だちに、帰り際に口紅をもらったのだった。 「女の子だけにお土産よ」って。 彼女は空を飛ぶ仕事をずっと続けていた。 大変なことも、楽しい話もいろいろ聞いた。 「結局、この仕事が好きなのよね」と笑っていた。 若々しくて、チャーミングで、かっこよかった。 小学生のころから知っている笑顔と変わらなかった。
そんな彼女からの思いがけないプレゼント。 とても嬉しかった。 あわただしくて昨日はちゃんと見ていなかった口紅を出してみた。
玉虫色に光る箱の中から現れた、紺色の半透明のキャップに包まれた金色の筒。 くるりと回すと、シックなローズ色のリップスティックが顔を出した。 つややかな薔薇色の中に、かすかに金色がちりばめてあるよう。 なんてきれいなんだろう。 見とれてしまった。
友だちからもらったことが嬉しい。 新しい口紅が嬉しい。 美しい色が嬉しい。 きりりと元気が出てくるようだ。 すぐにいつものポーチに新しい口紅を入れた。
背筋を伸ばし、おしゃれをして、薔薇色の口紅をつけて出かけてみたい。 出かけてみよう。 秋空を見上げて彼女の飛行機を探そう。
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