ひとりごと
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私がいつも行く医院は駅前のパチンコ屋さんの上にある。 古くて小さくて決してきれいとはいえないクリニック。 お医者さまはいかつくてちょっと口が悪い。 でも狭い待合室は、診察時間を過ぎても お年寄りや小さい子を連れたお母さんで賑わっている。
無愛想な言葉の奥に暖かみがある。 そして腕が確かなのだ。 みんな少しほっとした顔をして診察室から出てくる。
そんなお医者さまも私の風邪にはいつも手を焼いている。 3週間前、今回の風邪で最初に行ったときも 「あー。あんた確かいつもこじらすんだよな。鼻水はとまらないし。」 「はい。よく覚えておいでで。」 「それで持病が多いから薬も限られるからなぁ。」 「いつもお手数かけます。」
今朝起きたら鼻水に加えて咳が苦しかった。 うー。やっぱりぶり返したかな。
「あれ?やっぱりこじらせたか? それであの薬でも鼻水止まらない?そりゃすごいなー!」 「はい。ティッシュの箱と一心同体です。」 「よし。今度の薬は朝から眠くなるからね!いいね?」 「それは寝てろってことで…?」
風邪が治らないのはお医者さまのせいじゃない。 私の行動に問題があったのね。 高熱が出ないタチだから、ついつい動いてしまうのよ。
「まぁ。少しおとなしくしてなさい。」
赤い鼻をした私は神妙におじぎをして診察室のドアに手をかけた。 横の壁には空手姿のお医者さまの写真がかけてあった。 りりしい少年たちと一緒に勇ましく構えている。 「強い心に強い体!やさしくたくましく!」 そんなポスターも貼ってあった。
うん。そうね。 心も体も鍛えなくてはね。 ふらふらせずに、きっぱり風邪を治して元気に冬を迎えよう。 この冬はもうお医者さまを悩ませないようにね。
空手はハードかな。 ちょっと気になる今日この頃。
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