うわの空日記


ワルシャワに暮らす主婦ゲラッチの日常です。

2004年12月09日(木) 母語じゃないから

イギリス人とポー人のカップルとお喋り。
2人の共通言語は英語なんだけど。イギリス人夫曰く、彼女はメチャメチャ英語できるけど、やっぱり細かいニュアンスまでは伝わらないらしい。彼女もスラングとかイディオムの使用度が低くて、「なんでこの言い回しを使わないんだろう」とイギリス人夫が不思議に思う事もしばしばなんだって。

母語vs非母語の会話だとそういう印象になるのかなぁ。
お互い背負ってる文化背景は全然違うけど、一方の母語を使うって事はそちらの文化の枠組みの中での思考表現だしね。

私とゲラ夫の場合共通言語は英語だけど、英語はどっちにとっても非母語。
で、私らの場合、これが結構上手くいってる秘訣のような気もしてきた。

私が間違った単語を使ってる場合もある。
私が意図した意味と、実際単語が持ってる意味が違ってる時。
それから、私が意図した意味と実際の単語の意味が一致しても、ゲラ夫の解釈が間違ってる場合もある。
お互い意図した意味が一致しても、(だから会話としては成り立ってても)本来の単語の意味は違ってて、2人一緒に勘違いしてる時もある。

もちろん文化的背景の違いだって。
ゲラ夫のポー文化的思考を英語で表現したのと、私の日本的(まぁまぁツッコミはいいから)思考を英語で表現したのと、同じ単語を使ってても意味が全然変わってきちゃったりする。

要するに私達の場合、誤解する可能性が同じ母語同士のカップルに比べると100倍くらい高いと思うんだよね。
が、私らの場合の良い点はお互いに誤解の可能性を充分理解してるって事。

発された言葉を額面どおり受け取らず、「それってどういう意味? わたし的にはあなたは○○って言ってるように聞こえるけど、そういう意図なの?」というのを、日常的に確認してる。お互いにね。
言葉のあやに対してぶち切れる時もあるけど(これは大抵私)、発された言葉よりも「意図」に重きを置く事に慣れてる&「意図」の説明(というか釈明)をお互いいちいちしてるから、大きな誤解が生じにくい。と、思う。今のところ。

今まで生まれ育った環境がお互い違いすぎるから、「察してくれ」みたいのが通用しないし。で、日本で「察する事」が苦手だった私としては、「察してくれ」と要求されないのはすごくラク。
欲しかったら言え。
要らなかったら言え。
明言したからと言って私がそのまま従うわけじゃないけど(ははは)その要求に対する私の思いもちゃんと言うから。

言い過ぎて喧嘩になったりしないの?なんてよく聞かれるけど。
するに決まってんじゃね。しょっちゅうしてるよ、喧嘩。普通の日本人カップル(日本人同士ってだけじゃなくて、国際結婚カップルで片方が日本人とかも含む)に比べたら喧嘩の回数絶対多いよ、我が家。
お互いへの不満が原因の時より、どちらかのムシの居所が悪い時だけの方が圧倒的に多いけどね。

ま、4年も一緒に住んでるから流石に最近お互いを察する事も出来るようになったけど。やっぱりいちいち確認してしまう。
「言わなくてもわかってるくれる」って美意識はちと過大評価されてると思うんだよね。会話って大事ー。


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