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----------2005年12月30日(金) 乾き女

夕方になれば肌が粉を吹きお風呂に入れば鼻の粘膜から出血する乾き女は自ら捏ね上げたはずの砂の神様が音も立てずに崩れ去る様をコンタクトレンズが剥がれ落ちるほどに乾いた目でじっと見送った。

それからふと乾き女は自分自身も風に舞い散る砂のように跡形もなく消え去っていたことに気づいた。