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----------2005年09月06日(火) 私は眠りたい。

大阪にもつい先ほどから雨が落ちてきた。

眠いのだから眠ってしまえばいいのにそれを阻止するのは奇妙に肥大した自意識なのだ。「目を閉じてはいけない」という己の声は何か特殊な存在であらなければならない、ともがく哀れな自意識が発する叫びだ。

「常に誰かと違っていること」を要求する自意識の叫びが私に何をさせてきたか、考えれば考えるだけ虚しい。鏡に映る自分の顔は蒼白く、確実に貧血に陥っている。

こんな夜は、もうすっかり時代遅れになった学術書を鈍くなった頭で読み解こうとするよりも、次第に強くなる雨音を聞きながら、誰かの腕に包まれて眠るほうが、ずっといいことくらい分かっているけれど、たしかに彼は「キミがただの契約社員だったとしたら恋愛の対象にはしなかった」と言った。

違っていることだけが愛される理由だという確信が消えない。違っていることを愛されるのでないならそれは代替のきくあやふやな愛情に過ぎないという確信も消えない。なのに私の周りにいる「愛されている」女たちはちっとも違っていない、皆同じように話し、同じように笑う。

私は眠りたい。眠りたいのだ。