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----------2005年05月28日(土) わたしを買ってよ
誰かの思いつきでこんな場所に引っ張り出されてくるまでは、海綿は真っ暗な海の底でひっそりと、誰にも知られず、ぼんやりと、いつか海綿を迎えにきてくれるはずの神様の夢を見ていた。けれど神様は海綿の存在にさえ気づかないまま海の泡になって消えた。
皆、自分を知らせることに一生懸命だ。昔から、自分を「売り込む」というのはひどくいやらしいことのように思えて、口を噤んでいたけれど、神様が消えた今、それは間違っていたのだろう、と思う。
だってなんと本物の海綿でさえ「わたしを買ってよ」「あら、わたしなんてギリシャ産よ」と自己PRをしているのだからぶったまげた。
海綿も、そろそろ勇気を出して、「わたしを買ってよ」と言わなければならない。
ルールその28:やっぱりケイタイ電話なんだから一応ケイタイすること。
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