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----------2005年03月23日(水) cancer of everything

「存在する何ものかが存在しないように望む人間は、宇宙から自分を切断する。このような人間は宇宙の市民であることをやめ、宇宙の腫瘍となる（シモーヌが教鞭をとっていたときによく引用したとされるマルクス・アウレリウスの言葉）。」（シモーヌ・ペトルマン「詳伝シモーヌ・ヴェイユ�機�／勁草書房）

突然真っ黒な感情が噴き上がってきた。八つ裂きにしたいほどの、気狂いじみた憎しみがいきなり形をもって、胸倉をつかんだ。そのせいで苦しくて息が詰まった。

耐えてしまった私がすべて悪いのだ、今更思う、あれは耐えるべき事柄ではなかった、どれほど非常識で、どれほど非人間的で、どれほど不条理なものであったのか、きちんと口にして分からせるべきだった。

今、もうその対象はない。

狂おしい憎しみはすべて自分に戻ってくる。

軽蔑の種を拾い上げるために引き伸ばした、愚かしさを、冷たさを、だらしなさを確認するために口を噤み耐え続けた、いったい本当に愛したことがあっただろうか、札束を握った三歳児が成熟したペニスを屹立させて泣き喚いている姿をよく思い浮かべた、愛しいと感じたことが、あっただろうか。

あったのだろう、けれど思い出せない。

思い出すのはインヴェストメントなんていう思い上がった言葉と、ここには決して書けない類の罵詈雑言の群れ。眠れない私の隣ですやすやと寝息をたてる背中。そうしてこの時期に投げつけられた「中途半端」という言葉。

自分だけで昇華しなければならない、なんとかして押さえつけなければならない、生涯を分かち合うことできっといつしか薄まっていくだろうと思っていた憎しみは、傷口がすべて塞がった今になっても時折、内側で血を噴き上げる。

こんな憎しみは存在するべきではない、こんな憎しみを飼っているかぎり、いつまでたっても私は宇宙の市民なんかになれない。私こそが腫瘍だ。