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----------2005年02月19日(土) 文字は眠らない

「書かれたものは眠ることのない怪物だ。文字謎だ!」(ポール・ヴァレリー「純粋および応用アナーキー原理」/筑摩叢書)

返却期限が迫っているのだけれど返したくない、全部コピーして手元に置いておきたいくらい気にいってしまっている、この本。もちろん復刊ドットコム行き、リンクを貼ろうと思ったらメンテナンス中、だった。「眠ることのない怪物」であらなければならないはずだ・・・。

私がこうして毎日書いているくだらない文章も眠らないのだ。私が眠っているわずかな間も、仕事に出かけている間も、それは起きていて、晒されている。それは当たり前のことなのだけれど、こういう言葉に出会うとあんまり当たり前のこととも思えなくなってくる。この指先は怪物を生み出しているのか、とちょっと考え込んだりしてしまう。いったん私の脳内を離れ物象化された「言葉」は私を遠く離れ、誰もに閲覧可能なものとして解き放たれる。それは何処かで見知らぬ誰かに牙を剥いているのかもしれない、謎をかけて混乱させているかもしれない、もしくは捕えられ、曲解されているかもしれない。

・・・その言葉の行く末を想像すること、もまた書くことのひとつの楽しみでもあるのかもしれない。

システムが眠らないかぎり、あなたはいつも、此処で私の欠片に会えます。会いたくないといってもクリックすると会ってしまいますのでご注意ください、書いた言葉は眠りません。