再現
福岡の地震を知らないまま過ごした。
和幸さんからのメールを受け取り、テレビをつける。
時間帯が悪く、どの局もニュースをしていない。
ネットでニュースを見た。
彼のメールには、散乱した職場の写真が添付されていた。
電話で安否を知り一安心。
話している間は普通だったのに。
和幸さんと話している間、彼から何度も電話が鳴る。
ニュースを見たのと、地震の様子を聞いたのと
執拗に鳴るコール音で、おかしくなった。
彼からの電話に出て、話そうとした。
頭が真っ白になり、話せなくなる。
彼から頼まれた仕事ができない。
そして泣きながら叫んでしまう。
自分でも何を言っているのか、わからなかった。
何も言いたくなかった。
言葉が出ない当時に戻ってしまった。
それからも何度もケータイが鳴る。
気に入ったはずの着信音に飛び上がり
音量を絞っても、神経が逆撫でされた。
心配した彼からの電話なのに。
彼がケータイの電源を切ったほうがいいと言ってくれた。
そして、その後は固定電話に数度。
感情が麻痺したままの涙は、ここに来て初めてだった。
こんなときに傍にいてあげられないのが辛い。
ぎゅっと抱き締めて、大丈夫だよと言ってあげたい。
この言葉で、ようやく落ち着いて戻ってこられた。
2005年03月21日(月)
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