散歩と電話
散歩に行こうと出かけた。
にぎやかな通りをゆっくり歩いて、おもしろそうな店に
入ってあれこれ見た。
通りの最後まで行って、反対側に渡り戻ってくるつもりだった。
人だかりのできている店の前を通り過ぎ、気になって
入ってしまった。
業務用の食材を販売している店。
見ているうちに買いたくなって、カゴを取りに店頭に。
パスタ、チョコアイス、レギュラーコーヒー。
重いのとアイスが溶けそうなのとで、慌てて来た道を戻った。
散歩のはずが、食糧買出しになるとは。
交通量も多く、歩いているうちに喉がいがらっぽくなる。
タバコで喉は気持ち悪くならないのに、埃と排気ガスは
てきめん。
前から気になっていたコーヒーショップに入ろうかと
前を往復した。
白い漆喰の壁、焼いた杉板。大きなガラスの窓越しに
中の様子を見る。
誰も喫煙していないのを確認して、溶けそうなアイスを
抱えて部屋に帰り、うがいをした。
今日はいつにもまして、彼から電話が何度もくる。
俺のこと、愛してくれてる?
何か不安にさせるようなことあったかな。
ちょっと聞いてみただけ。
ふだん彼と話すことは、他愛のないことばかり。
そして、私は気まぐれにどんどん話題を変えるようになった。
今日は特にひどかったみたい。
心ここにあらずではなく、痛みがまた唐突にやってきたせい。
2005年03月19日(土)
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