価値観
届いた本に没頭してしまい、眠ったのが午前4時。
彼の知らないモノが増えた部屋で、
何がイヤか考えていた。
肌に触れるタオル類、口をつける食器類。
気に入ったモノしか部屋に置かない私は、タオル1枚
買い換えるのも時間がかかる。
今日はとりあえず食器を買いに行った。
品揃えの悪さに、予定通り買えなかった。
今まで使っていたモノを燃えないごみの日に
出そうと思ったのに、また食器棚に戻す羽目になった。

店で選んでいると、結婚前に食器を揃えたことを思い出した。
自分の行きたい店に行けず、デパートの特撰売り場に
連れて行かれ、さぁ選べと言われたんだった。
そのとき、親に言われた。
 オマエが選ぶと、とんでもないことになる。

和食器は5組、洋食器は6組。
全然楽しくなかった。
買ったカップ&ソーサーは、数年後には、
ショッピングセンターで安売りしていた。
本物かコピー商品かはわからないけれど。
あんなものを6組買うくらいなら、同じ金額で
2組か1組、本当に欲しかったものを買えばよかった。
先月だったか、はやりの店で食器を見た。
4桁の金額がついていても、私には100均の商品と
違いがわからなかった。

揃っていた食器類は割れたり欠けたり、
離婚したりでバラバラになった。
欲しい物がないのに、いつまでも昔にこだわっている。
それはおかしい。
100円のお茶碗でも、ご飯をよそえる。
金額ではなく気に入ったモノ。

***  ***  ***  ***  ***

Hさんからの電話に出た。
しつこいと言ってやろうと思ったから。
向こうにとっては、1回目普通にしゃべっていたのに
2回目は、すごく機嫌が悪くて驚いただろう。
無視し続けたことで、気づかないほうがおかしい。
これが私の言い分。
入院中、気弱になっていた。
私なら共感してくれると思った。
友達だと思っていた。
これが向こうの言い分。

気弱になっていたとき、おかしくなりかけていたとき
私は電話しなかったでしょう。
それどころか、思い浮かべもしなかった。
1年以上も連絡をしなかった事実をどう思ってるの。
あの最後のとき、私は言ったよね。
 彼と別れた、だけど恋しくて仕方ない。
 これ以上、私に関わらないで。

Hさんは謝り続け、私の怒りは収まらず
ぶっきらぼうに電話を切ってしまった。
変なところにデキモノができたくらいで
メソメソ甘えてくるなと、本当は言いたかった。


2005年03月13日(日)

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