よくある話
ネットで住所変更をしてから、メーラーを起動しようと
ゆったりかまえていた。
22時過ぎに、彼にメールの返事を書き出した。
彼からのメールを読み返し、考え、思い出し
なかなか書き終えられなかった。
22時半、ケータイに彼からメールが入った。
PCに送ってくれたそうだが、私は気づかずにいた。
21時過ぎに送信したもので、電話で話したいという
内容だった。
1時間半経過して、彼は痺れを切らしたようで
ケータイメールになった。
2日間誰とも話していないから、話したかったらしい。
以前、私が声を出さずに数日を過ごすことが多いと
言った時、彼は自分の仕事は、誰ともしゃべらずに
するから平気だと言っていた。
周囲に人がいながら、誰ともしゃべらずに仕事をする
ことと、全く人の気配すらない場所で、声を出さずに
過ごす違いを、ようやくわかってくれた。
だからね、私、血を吐いたんだと思うよ。
そうだね、こんなに辛いと思わなかった。
俺は2日で限界だ。
たった2日で、独り言が多くなった。
私が今、機嫌が良くて元気なのは、人のたくさんいる街で
心地いい刺激があるから。
何を着ようか考えるし、きちんとお化粧するし
物価の高さには眩暈がしそうだけれど、それ以上に
活気を楽しんでいられるから。
*** *** *** *** ***
彼から聞いたことがある。
私が前のサイトを止めるきっかけになったと
思い込んでいた見知らぬ女性のこと。
彼は、チャットで、その女性と知り合い
私たちのような関係について書いている
ある女性(つまり私本人だった)のことを、彼に告げた。
そして、私は、その女性が彼に、私のサイトのアドレスを
教えたものだと思い込んでいた。
彼は何度も聞いたらしい。
だけど、その女性はどうしても教えてくれなかったそうだ。
彼は、なんとかして見つけようと、私が話した
あるサイトを見に行ったらしい。
そして、そこにあるリンクを辿り、私のサイトを
見つけてしまった。
その女性に謝りたい。
どうして、私のサイトを教えなかったのか。
あれを読んで、教えられないと思っていてくれたなら
感謝しなければならない。
本当にごめんなさい。
日記を読んで、彼が未だに気にしているのは
やまのことだった。
私もやまも東京にいるから、会おうと思えば
簡単に会える。
そして、私が彼と付き合っていた頃、何かあるたびに
やまを思い出していた。
私は彼にはっきり言った。
やまは、友達になったんだと。
今、書いていることを彼は知っている。
だけど、私に直接聞けば、私は隠さずに話すように
なったから、彼は日記を読む必要がないらしい。
以前の日記を繰り返し読み、私が当時どんな思いで
いたのか、色々と重ね合わせて理解してくれた。
彼は大人になった。
去年の夏に、罵り合ったときのことを聞いた。
私は彼の本心を見せられたと思ったけれど
私を嘲ることで、私を吹っ切ろうとしたそうだ。
私たちの関係は、簡単に言えば
二股をしている状態で、昔の恋人とよりが戻ろうと
している、よくある話だ。
特別だとも特殊だとも、思わないし
ましてや運命だなどと、歯の浮きそうな甘ったるい
ことは全く思わない。
2005年01月08日(土)
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