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2005年12月24日(土)
今思えば、旅仲間の中に意中の人がいて、つばさと切り離した世界で恋を紡いで行きたかったんだなと推測できるのですが、と言うか推測していたのを確信できるのですが、未練がましいつばさは無駄な努力をしている真っ最中だったのがこの頃です。 一人で野辺山に行くと言うので、着いて行く事にしました。 めんどくせーなと言う顔をしていたけど、仕方ないから着いて来いと言う感じになり、雪の野辺山に向かいます。
寒いところでした。 清里よりもまだ上方へ単線が登って行きます。 携帯が圏外になったらそこは野辺山です。 宿は、「旅行」より「旅」が好きな人達が集まるところです。 と言っても、つばさの旅行の仕方を旅じゃないと決め付けて奴が邪道扱いするのも、大きなお世話だとも思います。 電車と車で、どう偉さが違うのかとも思います。 宿に着いたら部屋の用意には早かったので、宴会場を兼ねた小さな部屋で話し込んでいましたが、「せっかく野辺山に来て、部屋にこもるな!出て行け!」と亭主に追い出されてしまいました。 奴の言い分としては何か客に見られたら都合の悪い事が発生していたんだろうと言う事でした(笑)。 雪積もる野辺山の道は、昼でも零下。足が死ぬかと思いました。 図書館に向かうもくじけて途中で引き返しました。つばさがくじけなくても、向こうがくじけたらそれまでです。
歯並びの悪い、苦労が多そうでなおかつ自由に生きて来た風情のある亭主は、どっからどう見ても、変わり者です。 常連客であるほど好き勝手言われる無礼講です。 旅人の一人に、このくそ寒い野辺山に都内を歩いているような格好で平気で歩き回れる男性がおり非常につばさと年が近く、今思えば奴はこの人狙いだったのではないかと思います。 もう一人の若者と「つがい」扱いにされて怪しい恋を亭主に吹聴されまくっていました。 そしてその若者と言えば、どっからどう見てもうちのに惚れているようです。 そこに気づかない本人がまた阿呆で面白かったです。
つばさと向こうのノリは、向こう一人で来た時にはあり得なかったらしく、「新たな一面」として話題になっていました。
また、大人しい振りしてたのかぁ。 「この二人の会話は面白いねえ」ボケとボケの漫才は好評だったようです。
ただ、亭主はつばさを、「こいつはうちの客としては異質だ」と思っていたようで、なんだか最後までしっくり行きませんでした。 ここの客は面白くていい人達ばっかりだなと思いましたが、後日二人で行った同じような宿では甚だしい違和感を感じたので、もう仕方ないのでしょう。
食事前に車で来た人に乗っけてもらって近所の温泉に行きました。「鹿の湯」は良いお湯でしたが、食事の時間が迫っていて、そこには煩い人らしくちょいあわただしめでした。
出された食事のボリュームはすごかった!安いのに大丈夫なんかいな。 満腹!
さて。 向こうは、二人きりになると妙に甘えて来るので、思わずよりが戻せるのかと思ってしまいました( ̄∇ ̄)。 この旅中は終始睦まじく、仲良く過ごせました。何の問題もありませんでした。 しかし、あくまで向こうにとっては「試運転」なのです。 試される立場に立ったつばさは本当に憐れなものです。
凍死を防ぐために最高でストーブが炊かれている宿舎は、暑くて目が覚めます。 けして風が吹き込む造りではないところが寒冷地です。 たいがい1回はみんな目が覚めるようです。
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