チフネの日記
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2008年02月12日(火) 鳳リョ


「長太郎。暗い顔して、どうかした?」
「え、暗い顔なんかしてた?」
「してた、してた。で、何?悩みがあるなら言ってよ。
俺が力尽くで解決してあげるから」
「あ、ありがと。リョーマ君の気持ちは嬉しい。
でも、力尽くとかじゃなく、俺の心の問題だから…」
「そこで一人、落ち込んだりしない!とにかく話してみてよ。
口に出した方がすっきりするでしょ。ほら」
「そこまで言ってくれるなら話すけど…。怒らないで、聞いてくれる?」
「うん、何?」
「この間ね、俺とリョーマ君が二人でいる所って、
『大型犬の上に黒い子猫が乗って、猫が上から指示出してるみてーだな』
そんな風に言われたんだ」
「どこの誰だよ!そんな事言ったのは!」
「ああ!リョーマ君、怒らないで!だから言ったのに〜」

五分後。

「まあ、言った奴は後でシメるとして…」
「ほどほどにね」
「まあ、善処するよ。で、長太郎の悩みと今のとどう関係してるの?」
「うん。自分でもわかっているけれど、どちらかというと消極的な方だよね。
で、リョーマ君は積極的」
「だね」
「他の人から見ても、俺がリョーマ君に引っ張ってもらうのは明らかでしょ。
それで俺達は上手くいってるけど、でも本当はリョーマ君の心の中では、
もっと頼りがいになる奴になって欲しいとか、俺に合わせて無理しているんじゃないかって考えて!」
「で、落ち込んでた?バカだね。そんなのあるはず無いじゃん。思い込みはやめなよ」
「本当に?」
「うん。どっちかというと、長太郎の方こそ無理して俺に合わせてない?
色々我侭言って、困らせてばっかりじゃん」
「そんな事!リョーマ君といられるだけで幸せなのに、無理なんてしてるはず無いよ」
「だから、それは俺も一緒だよ。長太郎といられるなら、それでいい。
それだけで十分、頼りになっているから…わかった?」
「リョーマ君!」
「それに長太郎だって積極的な時だってあるじゃん。一昨日のあれとか」
「わあああ!リョーマ君、ここではちょっとストップ!」
「思い出した?」
「思い出した、思い出したからっ!」
「何赤くなってんの。自分でしたことなのに」
「それは、言い訳も出来ないけど…」

くすくす笑いながら、リョーマは鳳に体を密着させる。
そこへ仲睦まじく寄り添う二人に、冷ややかな声が被さった。

「なあ、お前ら…さっさと出て行ってくれない?」
「え、なんで?」
「なんでって、ここ部室だろうが!見ろよ、この有様!
お前らの会話を聞いて、身悶えている奴等がいるんだぞ。
さっさと出て行け」
「スミマセン、宍戸さん。リョーマ君と話したら、つい周りが見えなくなってしまいました。
じゃあ行こうか、リョーマ君」
「そうだね、続きは長太郎の部屋でしよ」
「賛成」

部室を出て行く二人を見て、宍戸は軽く首を振った。

「あいつら…せめて場所をわきまえろよ」

その辺で聞きたくも無かった睦言にダメージを受けてるチームメイトを一瞥して、
何も見なかったことにしよう、と宍戸は着替えもそこそこに荷物を持って逃げ出した。



チフネ