『虹の橋』
天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。 この地上にいる誰かと愛し合っていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。 そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。 食べ物も水もたっぷりあって、お日さまはふりそそぎ、 みんな暖かくて幸せなのです。
病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、 傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、 元のからだを取り戻すのです。 ・・・まるで過ぎた日の夢のように。
みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。 それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんが ここにいない寂しさのこと・・・。
動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。 でも、ある日・・その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。 その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。
突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。 速く、それは速く、飛ぶように。 あなたを見つけたのです。 あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。 そしてもう二度と離れたりはしないのです。
幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、 あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。 そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。 あなたの人生から長い間失われていたけれど、 その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。
それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです・・・。
***
旅行から帰ってきました。 旅行自体はとっても楽しかったのですが、 宮島にいるとき実家の愛犬ベニーの訃報を知りました。
その場ですっごく泣きました。 ちょうど、と言ったら変なんだけど不動明王のお堂の前だったので すぐ冥福を祈りました。
3日は電気工事のおじさんに吠え掛かるくらい元気だったそうです。
4日、父からメールで 「こちらは天気がいいけど、ベニーの調子が悪い」 とありました。 セカンドオピニオンということで、別の病院にかかったほうがいいんじゃない? と返信を送ろうとしていたところでした。
実家では私がメールを送る前に別の病院に連れて行き、 精密検査を受けさせたそうです。 結果は 「全体的に身体能力が低下していて、かつ子宮が膨れている」 とのことでした。 あとで調べてみたら、 老犬になると子宮蓄膿症という病気を発症しやすくなるんだそうです。 ベニーちゃん、避妊手術していなかったから… (避妊手術でも命を落とす危険性がゼロとはいえないため、 我が家では見送っていたのです) それに、虫歯がけっこうひどかったのですが、 そこから最近が入り込んで心臓が弱ってたとか…
しかし先生方のご尽力のおかげで手術自体は成功し、 術後はひとまず安心できる状態にはなっていたようです。 でも高齢で、また小型犬で麻酔もあまりかけられないため痛みもあり、 体力がもたなかったのでしょう。 一晩明けて母が病院に迎えに行こうとしている間、 母が到着する10分前に、ベニーはその15年の生涯を閉じました。 誰も看取ってあげられなかった。 それだけが家族全員後悔してもしきれず、悲しくて悔しくてなりません。
母は「病院に連れて行ったらもうこれで最期かもしれない」と思って なかなか病院に連れて行く勇気がなかったそうです。 老犬だったから下手に治療して、体力が弱ることも考えられましたしね。 だから病院に連れて行く前に美味しいものを食べさせて、 お散歩にも好きなだけ連れて行ったそうです。 傷心の母とはまだ話していませんが、 妹によると「それだけはしてあげられてよかった」と言っていたようです。
ベニーは私が中学生の頃、一人で留守番をしていたとき、 残りの家族がペットショップからいきなり連れて帰ってきました。 庭の縁側のガラス戸を開けたら、 突然茶色い物体が弾丸のように家の中に突入してきたことをいまでも覚えています。
小さいし構ってちゃんだし、 膝の上で眠られるとだんだん子泣き爺のように重くなってくるし 寒くなったらブルブル震えてしまうし、 散歩に行って疲れたら立ち止まって顔を見上げ抱っこをねだるし 我が家の末娘は手のかかる、でもその分とっても愛らしい子でした。 元気なときは遠くから聞こえてくる車の音を聞き分けて、 毎回玄関にお出迎えに来てくれました。
年を取ってからも、私が帰省するたびに 「あっ帰ってきた帰ってきたお帰りお帰りお帰りお帰り!!!!!!!」 って勢いでじゃれついてきて、 「あんた引き付け起こすから落ち着きなさいっっ」 ってこっちが慌てるほどでした。 9月に帰省したときはちょっとボケ気味な感じもありましたが それでも毎回回復してたんです。 調子が悪い悪いといいつつも、なんだかんだで回復してたんです。
生きてるんだからいつかは寿命がきます。 でも、 もっと健康管理をしておいてあげれば、 もっと気を遣ってあげていれば、 と、後悔すればキリがないですし、後悔せずにはいられません。 言っても仕方がないんですけど、 それでも何回も思い返しては泣けました。 母にまかせきりにしないで、調子が悪いと言うときに 私が強引にでも早めに病院に連れて行けばよかったとか。
だけど詮無いことだよなぁ。。。わかってるんだけどね…
ベニーちゃんは今日のお昼にお空に昇っていきました。 お骨はとても小さいそうです。いま、自宅に安置しています。 帰省したら一番にお線香あげなくっちゃ。
はー…いままでもペットをいろいろ飼ったけれど、 見送ったのは実は初めてです。 (ほかのペットは帰国を機にほかの方に面倒を見ていただいたり、 半野良の子だったり、野生に帰ったりだったので) こんなに悲しいものだとは。 母は「もう飼わない」と言っていたそうです。 私も飼えないかもなぁ…
ネットを巡っていて、『虹の橋』に出会いました。 存在は知っていて一度くらい読んだこともあったでしょうが、 こんなに心に沁みたのは、ベニーを喪ったからですね。 これから虹を見るときは切ない気持ちになりそうです。 いまは、虹の橋のたもとでほかの子達と仲良く遊んでくれてるといいな。 いつか私もそこに行くことでしょう。
ベニー、安らかにね。
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