冬晴れの日が続いている。このまま穏やかに新年を迎えたいものだ。
長期予報では新年早々からまた強い寒波が襲って来るらしい。
寒さにはずいぶんと慣れたけれどやはり身構えてしまう。
幸い以前のような恐怖心は無くなっておりそれだけで救われる思い。
懇意にしているお客さんから冬野菜を取りに来るようにと電話があった。
昨年までは軽トラックで持って来てくれていたがもう無理らしい。
抗がん剤の副作用で酷く辛そうな様子であった。
お宅を訪ねたら窓際のベットに横たわっており痛々しい。
それでも声は朗らかで「なんぼでも持って行けよ」と言ってくれる。
奥さんと一緒に畑に行くとそれは見事な白菜や大根だった。
大根を引き抜く。私のふくらはぎ位ありとても大きい。
白菜は奥さんが包丁で切り落としてくれた。それも私の頭位ある。
私は大根を抱え奥さんが白菜を抱え車に運び込む。
足が痛くてよろよろしていたら奥さんのなんと逞しいこと。
つい「おばちゃんはえらいね」と言ってしまった。
同じ申年で私より12歳の年上であったが「おばちゃん」は失言だった。
しまったと思ったけれどもう言ってしまったことは仕方ない。
気を悪くしたのではと思ったけれど笑顔で見送ってくれた。
もし私が12歳年下の人にそう呼ばれたらショックだったことだろう。
これからは気をつけなければいけないなと肝に銘ずる。
種を蒔き野菜を育て収穫の楽しみもあったことだろう。
治療はどんなにか辛いだろうけれど負けないでいて欲しい。
今は昔と違って癌イコール死ではない時代である。
克服した人も大勢いる。私の夫の弟もその一人だった。
来年の冬も野菜を頂きに行きますよ。楽しみにしていますからね。
|