午前中は台風の暴風圏内にあり強い風が吹き荒れる。
幸いだったのは昨日から殆ど雨が降っていなかったこと
豪雨に見舞われた地域も多い中なんと恵まれていたことだろう。
四万十川上流地域の梼原ではかなりの雨が降ったらしく
川は増水し濁流が怖ろしいほどに流れていた。
心配していた停電も免れどれほどほっとしたことか。
けれども高知県内では大規模な停電があり他人事ではなかった。
夜になり一刻も早く復旧することを願ってやまない。
今日は「敬老の日」で地区の高齢者にお赤飯を届ける役目があった。
じいちゃん(夫)が行ってくれたけれど心配でならない。
明日に延期しても良かったのではないかと恨みがましく思った。
けれども無事に届け終えて帰って来たじいちゃんが
「みんな喜んでくれたぞ」とその一言で救われたように思う。
毎年楽しみにしてくれている人達がいる。今日で良かったのだ。
台風で心細い人もいただろう。笑顔になってくれて何よりだった。
午後、やっと暴風圏内を抜け少し静かになる。
敬老の日に何もしてやれない母が気掛かりになり電話をかけてみた。
そうしたら今日が何の日やらまったく関心がない様子。
へらへら笑いながら呆けたふりをしているようだった。
おまけに台風が来ていたことも知らなかったようで
「ぜんぜんなんちゃあじゃない」とこれも笑い飛ばすのだった。
さすがに飽きれてしまってしばし絶句してしまった。
テレビはいつも見ているはずである。よほど興味がなかったのか
もしかしたらもう窓際のベットではなくなっているのかもしれない。
雨が降っても風が吹いても分からない。それも憐れなことだった。
「点滴は?」と訊ねると今日も「していない」と応える。
「腕を見て、針が刺さっちょるろ」と言うとびっくりしたように
「ありゃほんま」とまるで他人事のように笑うのだった。
まるで漫才をしているような有り様で私も笑うしかなかった。
それにしてもこんなに切ない漫才があるだろうかと思う。
母が壊れてしまいそうな気がしてならなかったのだ。
コロナ前には施設で「敬老会」があり私も参加したことがある。
あの時の母の楽しそうな顔が今も忘れられない。
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