午後から薄っすらと陽射しがありやっと暖かくなる。
今朝は5月とは思えない肌寒さで少し戸惑っていた。
息子が夜勤の為下校時からけい君を預かっている。
二階の娘達の部屋には絶対に入ってはいけないと
けい君が納得するように言って聞かせたのだけれど
思うようには行かずはらはらとするばかり。
まだ8歳のけい君に「プライバシー」などと言っても通じる訳がない。
それでも必死の思いでいれば血圧が異常に高くなってしまった。
まるで戦時中の学童疎開のようなものである。
親戚の家ならまだしも他人の家に預けられた子供は
どんなにか肩身が狭かったことだろう。
歯を食いしばりながら耐えるしかない。甘える両親もいない。
泣きながら眠った夜も数え切れないのではないだろうか。
そんな思いをけい君にさせるわけにはいかなかった。
私達祖父母がいる限りなんとしても守ってあげなくてはならない。
けれどもまるく納めようとすればするほど空回りしてしまう。
これでもかというほど気を遣っているのだけれど
当のけい君はあっけらかんとしていて自由気ままに行動をするのだった。
今日は娘がそんな私達の苦悩を察してくれたのか
晩ご飯までは二階で遊んでもいいよと言ってくれて随分と助かった。
けれどもこれ以上は甘える訳にはいかないと思っている。
「まあいいか」と思ったら最後、きっと波風が立つ日がやって来る。
息子には口が裂けても言えない。どんなにか頼りに思っていることだろう。
疎開でも何でもない。息子にとっては私達が家族に他ならないのだ。
けい君は母親の退院を知っていて実家に居ることも息子が告げたそうだ。
それでもけい君は「おかあさんにあいたい」と未だ一言も口にしない。
なんと健気なことだろう。けい君の我慢と辛抱に頭が下がる思いである。
今けい君は茶の間で宿題をしている。
少しでも側にいてあげようと思う。急ぎ足でこの日記を記した。
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