時おり土砂降りの雨が降る。それは怖ろしいほどに。
もう幾日降り続いているのか分からなくなった。
ふと蝉のことをおもう。鳴き声ひとつ聴こえないけれど
鳴きたくとも鳴けずまま亡骸になってしまったのではないか。
地上での7日間。雨に打たれながら木にしがみついていたのか。
それでも生きていたのだと思い残すこともなかったのだろうか。
なんと憐れなことだろう。雨はまるで蝉たちの鎮魂歌のようだ。

けい君の血液検査の結果がわかった。
仕事を終えてから総合病院の小児科へと向かう。
医師も驚くほどの結果で私もいささか衝撃を受ける。
どうやら生まれつきのアレルギー体質らしかった。
猫、犬、ダニ、杉花粉、蕎麦、小麦、卵、牛乳等。
とにかく避けられるものは極力避けるようにと指示を受ける。
食物は意外だった。幼い頃からずっと食べていて
特に今まで異変もなかったから寝耳に水のようなこと。
これからの食生活をどうすれば良いのかと途方に暮れる。
息子に知らせたらパニック状態になっていた。無理もないこと。
特に猫は家族の一員でけい君が生まれる前から飼っている。
どこまで神経質になれば良いのか今はよく分からない。
ただ息子たちの苦労がまた大きくなったことは事実だった。
母がお世話になっている施設のある病院でもあり
相談室に顔を出してケアマネさんに声をかけたら
母がちょうどリハビリ室に居るとのことで
遠くから顔を見るだけならと特別に面会を許してもらえた。
なんとも思いがけないことで目頭が熱くなる。
10メートル程離れていただろうか。母の声は聞きとれない。
私も大きな声を出せずにただただ母の元気そうな姿を目に焼き付ける。
何度も何度も母の夢を見ていた。決して幻ではない母の姿だった。
今度はいつ会えるのだろうか。それさえも分からないのだ。
奇しくも今日の感染者は過去最多の40人と聞く。
高知県は昨日とうとう「特別警戒」となったばかりだった。
日に日に押し寄せて来るコロナの波にもまれながらも
日々の事を精一杯にとにかく我が身を家族を守らなければいけない。
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