連日の快晴。どこまでも澄み渡った空の青さに風が
「もうなにもいらない」と吹き抜けていくばかり。
私はいったい何を欲しがっていたのだろうとおもう。
足るを知ればこれほどまでに救われると言うのに。
愚かさを思い知る。私も風になれるかもしれない。
あまりの好天に誘われるようにじいちゃんと出掛ける。
ふたり元気なうちにといつもおもう。
先日のかず兄の死からよけいにそう思うようになった。
なんだかふたりして思い出作りをしているようでもある。
「さて何処に行こうか?」私は無性に海が見たくなって
西に向かい大月町から柏島へと車を走らしていた。
燦々と降り注ぐ陽射しにきらきらと光る青い海。
車中談の楽しみもあるけれど昼食がもっと楽しみで
道の駅にある「まあるいお月さま」と言うレストランで
ふたり大好きなラーメンを食べる。それがとても美味しかった。
スープまで飲み干し「また来ようね」と約束をする。
「今度はオムライスが食べたい」と私が言ったら
「おまえは食べることばっかりだな」とくすくすと笑った。
思い出がまたひとつ増える。約束がまたひとつ増える。
それが決して当たり前の事ではないことを知っているからこそ
愛しいものなのだ。失うのがこわいかけがえのないひとがそこにいる。
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