夜明けに少し雨が降ったけれど日中は晴れ。
とても蒸し暑く厳しい残暑となる。
そうして9月。朝のラジオからは竹内まりやのセプテンバーが流れる。
口ずさみながら山里の職場に向かったことだった。
国道でお遍路さんがふたり。一人は逆打ちのお遍路さんだった。
まだ若く真っ黒に日焼けした顔。夏遍路の厳しさをおもう。
もう一人は足摺に向かっており重そうな荷車を引いていた。
一目で野宿をしているがわかる。おそらく職業遍路さんであろう。
かなり高齢に見えたのがとても気がかりだった。
今年はコロナの影響でお遍路さんも少なくなっているけれど
本格的な秋になれば少しずつ増えてくるのではないだろうか。
コロナ禍だからこその祈りの巡礼もあるような気がする。
仕事はずっと気になっていたことが一段落。
先週から気ばかり焦っていたのがやっと楽になった。
やはり義父の助けが必要。稲刈りが無事に終わってほっと安堵。
帰り道にお得意さんのバイクショップに寄ったら
「イチジク食べんかよ」と言ってくれる。
庭先にイチジクの木があって赤紫色に熟れているのが見えていた。
「食べる、食べる」と子供みたいに喜んで手を伸ばす。
乳色の汁が垂れてくるのをそっと手のひらに包み込んで帰路につく。
帰宅するなりイチジクを食べた。なんと懐かしい味だろうと。
子供の頃を思い出す。今日はちいさな秋をいただいた日。
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