猛暑日まであと一歩の暑さ。
うだるような暑さとよく言うけれどまさにそんな感じ。
夏は決して嫌いではないし、たのしもうと思うのだけれど
老体に降りかかる暑さは少し厳しくもあった。
じいちゃんお楽しみの土用の丑の日。
スーパーの開店を待ちかねて「うな重」を買い病院へ。
喜ぶ顔が見たくてなんだかうきうきとしていた朝のこと。
昨夜主治医の先生が回診に来てくれて
体力が戻りさえすれば来週あたり退院も可能と言ってくれたそう。
それは嬉しいニュースだったけれど私は少し不安だった。
まだ頭痛が続いているのにほんとうに大丈夫なのかと思う。
自宅療養にしても昼間は独りっきりで過ごさなければいけない。
なんだか気が気ではなく大手を振って喜ぶことが出来なかった。
でもこればかりは病院に任すよりほかなく
気持ちを入れ替えるように楽観的に受け止めるしかないのだろう。
「うな重」に大満足のじいちゃん。とても美味しかったそうだ。
私は病院の昼食を食べる。親子煮だったけれどこれも美味しかった。
明日の昼食はカレーのよう。「俺が食べるから」と愉快なじいちゃん。
朝からずっと笑顔だったじいちゃんも午後にはまた頭痛。
ナースコールをして鎮痛剤を処方してもらった。
お薬が効き始めるまではとても機嫌が悪い。
タイミングを見計らってから「また明日ね」と帰って来た。
明日は娘たちが顔を見せに行ってくれるとのこと。
孫たちの顔を見たらきっとまた笑顔になってくれることだろう。
窓の外が茜色に染まる。なんと穏やかな夕暮れ時なのだろう。
窓辺に佇みながらほっと息をするようにこれを記す。
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