ひんやりの夜明け前。星が空から降ってきそうに綺麗だった。
アラーム無しでぐっすりと眠っていて起こしてくれるひともなく
目覚めたら5時になっていてびっくり。8時間も眠っていたのか。
母のことが気になり午前中に電話をしてみたけれど
やはり気は変わっていなくて「もう決めたから」と。
無理強いは出来ず迎えにも行かないことにする。
午後からのお葬式。それはそれは沢山の弔問客で
同僚たちとてんてこ舞いしながら受付の役目を務める。
母の姿が見えないことを気遣ってくれる人もたくさんいた。
無事に出棺を終えて火葬場に着くなり堰を切ったように
言葉にできないような悲しみがおそってくる。
気心の知れた伯母が寄り添ってくれて泣きたいだけ泣いた。
それは祖母を失った悲しみではなく母がこの場にいない現実だった。
お棺のなかでにっこりと微笑む祖母に母を会わせてあげたかった。
「さあ涙をふいて」伯母に優しく背中を押されてみんなのところへ行った。
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